あっちの豚こっちの豚 やせた子豚の一日 の商品レビュー
『あっちの豚 こっちの豚』は、元々、1987年に小峰書店から刊行されており、その時は息子の、「広瀬弦」さんが絵を描かれておりますが、後に、「佐野洋子」さんの絵が発見され、この文庫版では、両方の絵を楽しむことができます(広瀬さんの方は全30点のうちの20点を再録、その代わり、新作が...
『あっちの豚 こっちの豚』は、元々、1987年に小峰書店から刊行されており、その時は息子の、「広瀬弦」さんが絵を描かれておりますが、後に、「佐野洋子」さんの絵が発見され、この文庫版では、両方の絵を楽しむことができます(広瀬さんの方は全30点のうちの20点を再録、その代わり、新作があります)。 物語の内容は、一目瞭然といってしまえば、それまでなのですが、特に、気になった文章を一つ。 しかし幸せというやつは、ひととおなじことをやっていないといけませんからな。 こつはこれだけです。 えっ、人と同じことをやる? それと、幸せにコツなどあるのか? そして、最も印象的というか、衝撃を受けたのが、「解題あるいは編集後記」の中に掲載された、佐野さんの『そうはいかない』という、エッセイに収録された『突然走る』の内容。 これがそのまま、この物語の意味するところを、示しているように思われて、これを読む前は、幸せの形は人それぞれで違うことを、教えてくれる物語だと思っていたが、読んだ後には、人間の身勝手な、都合の傲慢さが際立った印象を受け、「なぜ?」と思いましたし、悲しみを覚えました。 佐野さんのように、私も思わず、聞いてしまいますよね。「今まで豚肉食べたことないんですか?」って。 豚も人間も、同じ星に生まれてきた動物同士であるはずなのに・・ それから、もう一つの童話、『やせた子豚の一日』は未発表作品で、佐野さんの絵は残されていなかったので、広瀬さんの描き下ろした絵が添えられてあり、『あっちの豚~』とはまた違った、可愛らしい雰囲気で、周りの状況に腐らず、自らの考えで行動しようとする、「やせた子豚」の瑞々しい感性が印象的でした。 そして、こちらでも気になった文章があり・・ 幼稚園ってなんでもおなじにしなくちゃいけないのね 欲しいものは今すぐじゃなくっちゃ役にたたないんだ こういった視点を大事にしようと、教えてくれていようにも感じられ、やはり佐野洋子さんの作品には、何か惹かれるものがありますね。
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佐野洋子さん(1938~2010)、没後に発見された未発表の2作品です。佐野洋子さんは、猫、熊、豚などの動物をテーマにした作品が多いですが、本作品は豚さんです。「あっちの豚こっちの豚」と「やせた子豚の一日」。最初の作品は、一人で気ままに生きることと家族で暮らす幸せの比較を。次の作...
佐野洋子さん(1938~2010)、没後に発見された未発表の2作品です。佐野洋子さんは、猫、熊、豚などの動物をテーマにした作品が多いですが、本作品は豚さんです。「あっちの豚こっちの豚」と「やせた子豚の一日」。最初の作品は、一人で気ままに生きることと家族で暮らす幸せの比較を。次の作品は、働き者の母親を持つ男の子豚と酔っ払いの父親と暮らす痩せた女の子豚、男の子豚は太って動作が鈍く、女の子豚は腹いっぱい食べたい。どっちの親にもしっかりしろと言いたくなりますw。
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あっちの豚こっちの豚:元は佐野洋子の文章に子息の広瀬弦が挿絵を描いた作品。佐野洋子自身の用意した挿絵がそっくり出てきたとのこと。内容は、野原の豚小屋で気ままに暮らしていた豚が、文明社会にまきこまれて自分を見失いそうになる、ちょっとこわいような、風刺のきいた物語。 やせた子豚の一日...
あっちの豚こっちの豚:元は佐野洋子の文章に子息の広瀬弦が挿絵を描いた作品。佐野洋子自身の用意した挿絵がそっくり出てきたとのこと。内容は、野原の豚小屋で気ままに暮らしていた豚が、文明社会にまきこまれて自分を見失いそうになる、ちょっとこわいような、風刺のきいた物語。 やせた子豚の一日:佐野洋子による童話。父子家庭でやや育児放棄されてる感じのやせた豚の女の子が主人公。幼稚園にもいれてもらえない、お金もないけれど、自分なりに町の様子をみてきたうえで、のんだくれた父親との今の暮らしを選ぶ結びが潔い。
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