さよならトリガー(VOL.3) の商品レビュー

千田大輔(著者)

2016/04/29

大円弾もとい無事に卒業。絵柄も可愛く、テンポの良さが、しっかりとしたオチの面白さをより引き出せていた
これにて完結ってのは、一抹の寂しさをファンとして覚えるも、全３巻ってのは妥当だろう。もちろん、つまらなかったって意味でなく、これ以上、ダラダラと引き伸ばしても、ヒロインであるアナの元・軍人って突飛な設定を活かしきれず、むしろ、マンネリを引き起こしていただろうから、むしろ、この最終巻に話が纏まるように、細かな調整をしていた千田先生が見事だ
全体的に、友情と恋愛、どちらのバランスも良かったのではないか
元気花マル印の女の子たちの友情コメディ、男女間の縮まりそうで縮まらない、かと思ったら急接近でドキドキさせてくれるラブコメ、どちらも質が高かった。また、百合っぷるまでブッこんでくれるって、千田先生、サービス精神旺盛
最初から最後まで、表紙じゃ散々な扱いな茂部くんだが、本編では結構な男気を発揮し、コツコツ、アナと良好な関係を築き、仲良くなっている。ある意味、男の鑑だ、彼は。まぁ、この作品で一番のイケメンは誰かっつーたら、満場一致で、ツグミちゃんな訳だ。彼女に惚れ、諦めずに猛アタックを繰り返せる茂部君の悪友・・・結局、彼の名前は何だったのか・・・も中々に漢だ。あくまで、私の勝手な予想だが、この二人は、アナと茂部より先にゴールインしそう
この『さよならトリガー』、自然と「終わったな」と受け入れられる最終回だったので、特別編が次回作のコミックスのオマケとして掲載されたら嬉しいっちゃ嬉しいが、どちらかと言えば、新作の方が楽しみ。これだけ、クオリティの高い四コマ漫画を描けて、ちゃんと完結させられるだけの地力を連載で育めたなら、週刊少年マガジンでオリジナルないしは、他作品のパロディ四コマで連載を持たせても、十分な活躍が期待できるんじゃないだろうか、と私は思ったんだが、こればかりは、編集部の匙加減なので、どうにもならん・・・でも、週マガの編集部はファンの声に耳を傾けてくる人が多い、と信じている
どの回も面白く、ほのぼのかつニマニマするが、私的にお勧めなのは、やはり、＃７８だ。青春真っ盛りの少年少女がする愛の告白は、キュンと来るなぁ
この台詞を引用に選んだのも、上記と同じ理由だ。結局、誰かを好きになるのに、特別な理由は必要ない。好きって気持ちさえ把握できてりゃＯＫだ