住宅ローンの教科書 改訂版 の商品レビュー

加藤孝一(著者),池上秀司(著者)

2017/10/08

元利均等返済と元金均等返済は元利均等返済の方がお得

近年の情勢から，住宅ローンの組み方など，住宅ローン全般について解説している。
わかりやすさや総合的な面では，「住宅ローンはこうして借りなさい 改訂6版」のほうがいいと思う。
こちらの本では，もう少しデータに基づいた論理的な展開がなされているように見えた。

特に，p. 72-73で記載されている「元利均等返済と元金均等返済は元利均等返済の方が返済年数が短くなる」という事実はこの本で初めて知ったので衝撃的だった。今まで，元利均等返済の方がそう支払い利息が少ないので，いいものだとてっきり思っていた。実際には，住宅ローンはローンの中では金利が最も低い部類で，いまだと変動金利だと0.5 %くらいは可能。それに比べて，投資信託などは利率が3 %程度。利率の変動のリスクはもちろんあるが，住宅ローンの返済に当てるより，他の金融商品に投資して後でまとめて繰り上げ返済で返すほうがお得な可能性が高い。

「住宅ローンはこうして借りなさい 改訂6版」にもこの返済方法の検討内容は書かれているが，自分がこの本で先にこの事実を知った。そういう意味でこの本は良かった。