深代惇郎の天声人語 続 の商品レビュー
あぁ…読んでしまった。今でも「朝日新聞社きっての名文家」と 呼ばれる深代惇郎の天声人語である。聖俗と「最後の」と銘打った 3冊での復刊のうちの1冊である。 1975年に46歳の若さで白血病で亡くなっているが悔しくなる。 こう少し生きていてくれたら、私は深代氏の文章をリア...
あぁ…読んでしまった。今でも「朝日新聞社きっての名文家」と 呼ばれる深代惇郎の天声人語である。聖俗と「最後の」と銘打った 3冊での復刊のうちの1冊である。 1975年に46歳の若さで白血病で亡くなっているが悔しくなる。 こう少し生きていてくれたら、私は深代氏の文章をリアルタイム で読めて理解も出来る年齢になっていただろうに。 それだけに、私にとっての深代氏は特別な存在である。深代氏と 同じ世代で、読売新聞の記者であった本田靖春氏の文章はかろう じて読むことが出来たのだけれどね。 政治を批判する鋭い視点、抜群のバランス感覚、短い文章のなか で過不足なく表現する力。もう脱帽である。 専門学校時代から「天声人語」を書き写すことが私の日課になって いる。深代氏の筆になる「天声人語」と比較すると、時には何を言い たいのかぼやけてしまっていることもあることにも気が付いた。 上手いのである。なんでこんな文章を書けるのか。正編を読んだ時 にも似たような感想を書いたと思うが、何遍読んでも唸らさせるこ とには変わらないのだ。 『深代惇郎の天声人語』全3冊が文庫で発行された際、「大事に 読もう」と思って続編はしばらく積んでおいた。なので、あとは 『最後の~』しか残っていない。こちらを読んでしまったら氏に よる「天声人語」はもう読めなくなってしまう。 でも、でも…読みたいっ!しばらくこの誘惑と闘わなくてはいけ ない。自分に勝つんだ。ガンバレ、私。
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