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自分の音で奏でよう! ベルリン・フィルのホルン奏者が語る異端のアンチ・メソッド演奏論 の商品レビュー

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2017/04/17

今日、ホルンや金管楽器全般の演奏法に関する本は、翻訳されているものだけでもかなり多くある。フィリップ・ファーカス、タックウェル、クーシンズ、ヴェクレらの著書には、中学・高校・大学、そして社会人になってからも折に触れて読み返していた。しかしホルン吹くことを一時休止することにしてから...

今日、ホルンや金管楽器全般の演奏法に関する本は、翻訳されているものだけでもかなり多くある。フィリップ・ファーカス、タックウェル、クーシンズ、ヴェクレらの著書には、中学・高校・大学、そして社会人になってからも折に触れて読み返していた。しかしホルン吹くことを一時休止することにしてからは、こうした類いの本は全く読まなくなり、8年以上が経っていた。ごく最近、この本のサブタイトル中の「異端のアンチ・メソッド」というフレーズに誘われ、なんとなく本書を注文し、通勤時に読み進めた。 冒頭で著者は「ホルンを演奏を習い覚えるということは、身についているものを捨てていくことなのではないかと感じていた」(p.19)と述べている。これは学習論の文脈で用いられる学習棄却(アンラーニング)に通じるものと思い、より関心が高まり幾分頁を捲るのが速くなった。一般的に行われているレッスンは、個人的・主観的で限界があると断じ、教師自身が本当に全体像を見据えられていることはないと主張している(p.25)。この一文から、学習者はもっと自由にホルンを吹いてよい、ということがわかるだろう。また練習時間の多寡も問題にしていない。練習中毒で肉体的・精神的に疲弊した状態を非常に心配している。そして練習の概念自体も棄却するよう求めて、研究やトレーニングという単語で代替するよう提案もしている。

Posted byブクログ