されど鉄道文字 駅名標から広がる世界 の商品レビュー
何事にも幅の広さと奥の深さはつきものだけど、やっぱり鉄道って伊達じゃない。駅名標や車両に記された文字の書体だけをテーマとして、本が1冊出てしまいました。深い。あまりにも深い。「趣味の読み物」の体裁を取ってはいますが、これはもうひとかどの学術研究書です。 特に、須田寛氏(元・JR...
何事にも幅の広さと奥の深さはつきものだけど、やっぱり鉄道って伊達じゃない。駅名標や車両に記された文字の書体だけをテーマとして、本が1冊出てしまいました。深い。あまりにも深い。「趣味の読み物」の体裁を取ってはいますが、これはもうひとかどの学術研究書です。 特に、須田寛氏(元・JR東海社長)のすみ丸ゴシックに対する情熱と執念は凄まじいものがあり、品川駅の駅名標を一夜で差し替えた話など、感心を通り越して背筋が凍ります。そこまで固執しておきながら、書体を完成させた職人さんと本書の取材を受けるまで面識がなかったのだそうで。お互い徹底したプロ意識の持ち主だったのでしょう。名前も顔も知らなくても、文字を通じて心を通わす。美学です。 何気なく眺めている看板や標識にも、それぞれに込められた物語があり拘りがある。なんだか世の中に対する意識も変わりそうな、アジのある1冊です。
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鉄道等の公共機関の「フォント」は確かに統一されれば見やすく、分かりやすく、キレイにみえる。それがうまくいかないことや先人たちの苦労が分かって面白い。
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