室生犀星百詩選 わが肌に魚まつわれり の商品レビュー
自分も生まれ故郷と別の場所に来たので「第二の故郷」が特に印象に残った。その内犀星にとっての東京と同じようにこの土地に「深い愛すべき根」をはれたら良いと思う。
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金沢の室生犀星記念館に行って、この本を購入した。 この百選は、室生犀星の核心に触れることができそうだ。 日本では、詩人が、なぜか絶滅してしまったように思える。 詩が詩として成り立った時の 室生犀星。 金沢の街のしっとりしたたたづまいに育まれた。 なぜ詩をかかねばならないか? 「...
金沢の室生犀星記念館に行って、この本を購入した。 この百選は、室生犀星の核心に触れることができそうだ。 日本では、詩人が、なぜか絶滅してしまったように思える。 詩が詩として成り立った時の 室生犀星。 金沢の街のしっとりしたたたづまいに育まれた。 なぜ詩をかかねばならないか? 「自分だちが詩を書くことは 生きてゆくことと同じだ。」 室生犀星の 限りなく 寂しい孤独な姿が 浮き上がってくる。 「わが手にしたたるものは孤独なり」 どこにも住んでいないような、 そして、語らうことができるのは、 魚であり、昆虫である、草木である。 そこに、限りない慈しみと愛情を注ぎ込む。 「わが肌に魚まつわれり」 「魚もわが心ともにあり」 自分の分身であり、自分の恋しい人なんですね。 そして言う 「ほしい言葉がなかなか見つからない」 と 心情を吐露する室生犀星の凄みを感じた。 しかし、やはり、詩は、今の時代を反映することが 難しくなった 表現手段 ではないかと思った。 詩を受け入れる 受け手が あまりにも心が貧しくなっている と思った。 どこにも、行きようのない 寂しさ がマグマのように沈んでいる。
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