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ボーヴォワール 新装版 の商品レビュー

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2023/11/01

ボーヴォワールは地に足のついた正直な人、それゆえに心の底から大好きな作家だと言える。 『第二の姓』はまだ読んでる途中だが、一度彼女の人生とその思想、人となりを概観したくなり、お馴染みのこのシリーズに触れました。 自己と他者が生み出せる自由の考え方には唸らされた。実生活の細やかな瞬...

ボーヴォワールは地に足のついた正直な人、それゆえに心の底から大好きな作家だと言える。 『第二の姓』はまだ読んでる途中だが、一度彼女の人生とその思想、人となりを概観したくなり、お馴染みのこのシリーズに触れました。 自己と他者が生み出せる自由の考え方には唸らされた。実生活の細やかな瞬間に感じ取る未だ言語化されていない領域を一気に回収してくれた気分。 一人でいることが自由ではない。他者の中にいる中で、相互が自由の関係を希求するその過程において具体的な自由が現前する。 「くそ真面目な人」は日本にいっぱい居るのでちゃんと使っていきたい。 サルトルの暗さよりもボーヴォワールの思考の組み立て方や楽観さに強く惹かれました。 もっと掘ります。

Posted byブクログ

2019/09/08

ボーヴォワールの生涯と思想を解説している評伝です。 ボーヴォワールが存命だった1984年に刊行された本で、伝記部分にかんしてはごく簡単な記述にとどまっています。一方ボーヴォワールの思想を解説しているところでは、まず彼女の思想の概要を著者自身の観点から再構成しわかりやすく解説をお...

ボーヴォワールの生涯と思想を解説している評伝です。 ボーヴォワールが存命だった1984年に刊行された本で、伝記部分にかんしてはごく簡単な記述にとどまっています。一方ボーヴォワールの思想を解説しているところでは、まず彼女の思想の概要を著者自身の観点から再構成しわかりやすく解説をおこなったうえで、主著である『第二の性』と『老い』の内容についてのまとめが置かれており、ていねいに説明されているという印象を受けます。 「あとがき」で著者は、ボーヴォワールが「フランスのモラリストたちの伝統をうけついだ思想家である」と述べており、本書の解説でもボーヴォワールの思想を、サルトルの無神論的実存主義のモラリスト的な展開として説明されているように感じました。ボーヴォワールの思想に関心のある読者はもちろん、サルトルが完成させることのできなかった倫理学について関心のある読者にとっても、興味深い論点が提出されているように思います。

Posted byブクログ