絶筆 の商品レビュー
今の社会への憂いが感じられた。一つひとつは短い文ながら、密度が濃く、野坂昭如氏の人柄を感じることができた。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
野坂氏の頭から離れなかったのは8月15日と6月5日、終戦の日と神戸大空襲の日。ここに氏の思想の原点があると思います。戦争と飢餓を最も恐れ、再び起こることがないよう死ぬ間際まで主張し続けていました。晩年は政治に対しては、期待していないように見受けられましたが、「世間が強いリーダーシップを求める時代はよくない。」「強力なリーダーを必要とする世の中は不幸だが、政治不信の世もまた不幸である。」と警句を発せられています。あの世からも我々の愚行を嘲笑って、鋭い批評を投げかけているものと想像いたします。合掌。
Posted by
- 1