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無花果とムーン の商品レビュー

3.3

34件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

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2024/07/05

主人公となる18歳の「月夜」は、紫の瞳に狼のような犬歯を持つちょっと変わった少女。 彼女は前嶋家に幼女として迎えられたもらわれっ子だった。 優しい教師の父親、8歳年上の兄貴、そして大好きな一つ年上のお兄ちゃんこと「奈落」との4人家族。 何故か母親は存在しない。 物語の冒頭は、大...

主人公となる18歳の「月夜」は、紫の瞳に狼のような犬歯を持つちょっと変わった少女。 彼女は前嶋家に幼女として迎えられたもらわれっ子だった。 優しい教師の父親、8歳年上の兄貴、そして大好きな一つ年上のお兄ちゃんこと「奈落」との4人家族。 何故か母親は存在しない。 物語の冒頭は、大好きだったお兄ちゃんこと「奈落」の葬式の場だ。 「月夜」の悲しみは深く、周囲の者たちも対処に困り果ててしまう程だ。 「月夜」が深く落ち込む理由は、コンビニの駐車場で一緒にアイスを食べていた「奈落」が、「月夜」の目の前で急死したことにあった。 「月夜」は、「奈落」が死んだのは自分のせいだと思い込む。 葬儀が済んんだ後、家の中で「月夜」だけが明らかに「奈落」の気配を感じるのだが、姿は見えない。 数日後、突如「奈落」が現れ、今度は銀色のUFOに乗ってやってくるとの言葉を残して姿を消す。 やはり「奈落」は幽霊となって存在すると、「月夜」は確信するのだが⋯。 「月夜」が「奈落」の遺した銀色の自転車に乗って走っていると、銀色のトレーラーの群団が走り去って行く中に、一台の真新しい銀色のトレーラーが異音を鳴らして突如停止した。 そのトレーラーの運転席から降りてきた「蜜」と名乗る青年の姿は、まさに「奈落」そのものだった。 そして年に一度の街が主催する「UFOフェスティバル」に纏わる夏休みの不思議な出来事が綴られる。 はて、「蜜」は「奈落」なのだろうか⋯。

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2024/04/20

パープルアイと聞くと「闇の」を付けたくなるのは、世代でしょうか。苺苺苺苺苺先輩のインパクトがすごい。

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2024/04/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

独特の文体、リズム感、あぁ〜桜庭一樹さん全開だ〜って本でしたね。 主人公の月夜が確かに芝居染みててイライラするの、わかるぞ!と思いつつ、お兄ちゃんの“奈落”って名前の付け方どうなのよと思ったり… とっ散らかってるような話に見えて、最終的には支社と向き合う生者の話という一貫したテーマがあって興味深かったです。

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2024/02/16

再読だったのですが、展開が気になって気になって、どんどんと読み進めてあっという間に読了しました。桜庭さんの作品はどれも熱中度がものすごいです。 そして読了後に残る衝撃といったらもう.........。この感覚が忘れられずに、きっとまた読みにきてしまうと思います。

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2023/08/14
  • ネタバレ

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もらわれっ子の月夜には二人の兄がいる。 だけどある日、片方の兄・奈落は死んでしまう。残された月夜は、奈落の幽霊の気配を感じ始める。 早々にオチが読めたこと、月夜の芝居がかった一人称口調がきつくて、密が出てきたあたりから飛ばしまくって読んでしまった。 中学一年生とかそれくらいの時に読んだらハマったかも……。いやそんな若い頃に読んだら月夜の影響を受けてだるい喋り方とか真似して黒歴史生み出してたかもしれないから、分別つく大人になってから読んでよかったかもしれない。 あの日月夜がアーモンド味を食べてなければ、月夜が食べてたアイスがアーモンドだったと気付いていれば、キスをしなければ。 奈落が死なずに済んだ選択肢がたくさんあって、それなのにたまたま最悪の行動を選び抜いてしまい呆気なく死んでしまった。月夜と共に生きる未来もあったはずなのに、負の偶然によりすべてがなくなった奈落が、単純に可哀想だと思った。

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2023/07/16

浜坂の花火大会の待ち時間で読み終えたのが、めちゃくちゃエモだった。波音、喧騒、たまらないね。 お盆にピッタリって感じの内容だった。

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2023/03/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

思っていた結末とは違った。 本の最後の方まで、月夜は兄の死をきっかけに統合失調症か鬱病を発症して幻覚や幻聴に悩まされ、周りの人もそれに巻き込まれているのだと思った。周囲の人間から本気で大事に思われているのに、自分に都合の悪いことを切り取って悲観して、病的な態度で優しさをはねつけている月夜は少し気持ち悪かった。しかもそこから回復したあと、兄の幽霊のおかげで回復したのだと書いてあって、自己中心的すぎないか?と思った。 現実でも精神疾患にかかった人は幽霊に取りつかれたかのように手に負えないことがあるから、そういう話なのかもしれないと思ってしまう。

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2022/10/08

ありがちなストーリーも、謎の世界観やら、不思議な語り口やら、妙なキャラクター設定やら、で新しい感じになるんだから不思議だ。 いやまぁ言うほど目新しいわけでもないんだけど、身近な人の死を乗り越えるのに時間がかかってやっと死に向き合って周りの人たちも死を忘れようとしていたけどそれじゃ...

ありがちなストーリーも、謎の世界観やら、不思議な語り口やら、妙なキャラクター設定やら、で新しい感じになるんだから不思議だ。 いやまぁ言うほど目新しいわけでもないんだけど、身近な人の死を乗り越えるのに時間がかかってやっと死に向き合って周りの人たちも死を忘れようとしていたけどそれじゃダメなんだと気がついて新しい旅立ちである。 と、略し過ぎだけど、一番辛いのはなみちゃんで、頑張って無理して話しかけたけど酷い扱いを受けて、でもって主人公はまぁ友達を傷つけたけどしょうがないかー、的な。いやこれはなみちゃんの将来が危ぶまれるが、しょせんはメガネの地味な子なのでこの扱いもやむなし。なにしろ美男美女ばかりでてくるこのお話、下手に思春期に読むとやばそうよ。

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2022/05/19

表紙とタイトルに惹かれて借りた、もらわれっ子で紫 の瞳をした月夜とだいすきな奈落のお話。結末で驚い てあって声出ちゃった。少し泣いた。 #さよならぼくのパープルアイ

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2022/03/06

主人公の女子高生月夜は、もらわれっ子でパープルアイ。紫の瞳の人は、世界人口の2パーセントだと聞くから、本当に希有なシチュエーションです。 本人を含む兄弟全員がものごころついてからの養子で、容姿の違いがあるから、家でも地域社会でも血縁で結ばれた家族であるふりはできません。 思い切り...

主人公の女子高生月夜は、もらわれっ子でパープルアイ。紫の瞳の人は、世界人口の2パーセントだと聞くから、本当に希有なシチュエーションです。 本人を含む兄弟全員がものごころついてからの養子で、容姿の違いがあるから、家でも地域社会でも血縁で結ばれた家族であるふりはできません。 思い切り共感しずらいシチュエーションの主人公です。 しかし、自分にとって悲しくてたまらないことを「もう悲しむな」と言われる時のやりきれなさは、多くの人経思い当たることがあるのではないかと思います。 月夜は喪失の悲しみの他に秘密にも苦しんでいて、ついつい面倒な娘を見守る家族に同情しながら読みました。 小説を読むのに主人公の気持ちになる必要はないんだなと思い出しました。 展開には飽きさせないスピードがあり、「腑に落ちる」ラストです。

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