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分断社会を終わらせる の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2022/09/05

人種や思想の違い、さらに政治的思惑によって分断が起きる。その結果誰が喜ぶのか?人々が分断で安心する、見下す、そして仲間内で結束する、集団のリーダーや為政者がこの企みで甘い汁を吸う。そこに私たちは気づくべきであろう。民主主義は思想の違いを乗り越えて共存していく過程がイデオロギーとし...

人種や思想の違い、さらに政治的思惑によって分断が起きる。その結果誰が喜ぶのか?人々が分断で安心する、見下す、そして仲間内で結束する、集団のリーダーや為政者がこの企みで甘い汁を吸う。そこに私たちは気づくべきであろう。民主主義は思想の違いを乗り越えて共存していく過程がイデオロギーとして存続する。痛みが伴う茨の道だが多様性はそれも含んでいる。決して理想郷やバリアフリーな道標ではない。

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2022/04/06

2022.17 ・日本はOECD諸国の中で、格差解消のための「再分配」「富裕層への課税」両方においてほぼ最下位 ・自己防衛と無関心によって社会が分断されている。 ・人間を「協働のための単位」から「収益のための単位」に変えてしまった。

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2020/02/14

そこそこの生活ができている私も、この社会のあり方に閉塞感どころか、窒息感すらもつ。だから著者たちがいう「必要原理」をてこに納税を納得させ、支出を統制する理念はすごくわかる。実現したらいいと思う。しかし、なにがこれを阻むのだろう。人間が本質的に備えているある性質が阻害要因になってい...

そこそこの生活ができている私も、この社会のあり方に閉塞感どころか、窒息感すらもつ。だから著者たちがいう「必要原理」をてこに納税を納得させ、支出を統制する理念はすごくわかる。実現したらいいと思う。しかし、なにがこれを阻むのだろう。人間が本質的に備えているある性質が阻害要因になっているような気がする。後半、その性質の分析はあるが、これまで見たことのない世界なので、簡単に納得できないのが残念である。

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2020/01/16

『幸福の増税論』と続けて読みました。選別的(救済的)な再分配から皆が受益者(共存的)な再分配へ。富める者への分配への疑問が起きそうだが、現に義務教育の無償は後者でありそれが日本の社会を今のような経済大国へと押し上げてきたことは確か。社会に生きる人間の基礎的ニーズは全ての人に提供し...

『幸福の増税論』と続けて読みました。選別的(救済的)な再分配から皆が受益者(共存的)な再分配へ。富める者への分配への疑問が起きそうだが、現に義務教育の無償は後者でありそれが日本の社会を今のような経済大国へと押し上げてきたことは確か。社会に生きる人間の基礎的ニーズは全ての人に提供し課税最低限の引き下げと累進性の強化、税に対する信頼と社会の連帯を取り戻すための大胆な提言です。

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2018/07/16

税金の集め方と再分配の方法への提案がわかりやすい。あるとこから集中的に徴収して、必要としている層に分配.....では、皆のコンセンサスを得にくい。

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2018/03/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

北欧型のすすめ、なんだが、人口3000万人超えて北欧型うまくやるのは相当難しい気がする。その辺の話があるとありがたい。

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2017/02/06

なぜ、日本人は増税をこれほどまでに嫌がるのか。 今の日本の閉塞感はどこからきているのか。 研究者らしく分析していて面白かった。 日本の借金返済にはまだ余裕があるから、まずは普遍的な福祉を充実させてから増税につなげるべきという考え方。 どうしたら増税ができるのか、それを考えなくては...

なぜ、日本人は増税をこれほどまでに嫌がるのか。 今の日本の閉塞感はどこからきているのか。 研究者らしく分析していて面白かった。 日本の借金返済にはまだ余裕があるから、まずは普遍的な福祉を充実させてから増税につなげるべきという考え方。 どうしたら増税ができるのか、それを考えなくては、財政再建もままならない。 支出を切り詰めるより、収入を増やすことを考える、成長神話は終わってるという考えは至極納得できる。 ただ、じゃあ増税に納得できる福祉ってなんだ、という部分が少し弱い気もした。 そこを考えるのは、また別の人、もしかしたら私たちなのかもしれない。

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2016/12/18

消費税の増税が先送りされ、「税と社会保障の一体改革」は頓挫したと言われる。高い支持率を誇る政権でも増税は難しい。社会保障(再分配政策)が「バラマキ」と非難されることも少なくない。なぜか。それは、この社会の基盤となるべき「信頼」が脆弱で、不安や疑心暗鬼の中で自己防衛に走るほかない生...

消費税の増税が先送りされ、「税と社会保障の一体改革」は頓挫したと言われる。高い支持率を誇る政権でも増税は難しい。社会保障(再分配政策)が「バラマキ」と非難されることも少なくない。なぜか。それは、この社会の基盤となるべき「信頼」が脆弱で、不安や疑心暗鬼の中で自己防衛に走るほかない生き方を強いられているからではないか。つまり私たちは巧妙に「分断」されていて、競争を強いられ、疲弊しているからこそ、誰かが救済されることになかなか寛容になれないのではないか。 この本は、『経済の時代の終焉』(岩波新書)で昨年の大佛次郎論壇賞を受賞した経済学者が、経済学と財政学の知見を用いて、発想の転換を迫る提言書である。「市場原理」から「必要原理」へ、「成長=救済型モデル」から「必要=共存型モデル」へ、「救済型再分配」から「共存型再分配」への転換を掲げ、その実現可能性について検討する。 自分には「受益」がなく「負担」ばかりだと思えば、租税抵抗が強まり、増税への同意は「分断」される。だから「誰もが受益者」になるよう制度を設計しなければならない。例えば義務教育は、所得の多寡に関係なく誰もが等しく無償で教育を受けられるサービス給付制度である。必要原理に基づく給付の古典的事例だ。同様に、教育以外の「必要」についても、受益者の範囲を広く設定できないか。希望の構想は、きわめて実務的に組み立てられていく。 通常なら諦めてしまいそうな壮大な変革を、ある意味では地味な知見の積み上げによって成し遂げようとする。その知的執念が何より感動的で、学問への畏敬を再認識させられる本。

Posted byブクログ