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道割草物語(上) の商品レビュー

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2019/11/25
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吸血鬼と百合と廃墟と。 好きなものを惜しみなくぶち込みました、ということらしい。 惜しみなくというのは悪く言えば恥ずかしげもなくという意味でもある。 私は後者のように受け取ってしまった。 確かに絵は繊細で綺麗。 廃墟趣味にも共感。(うーんもっと引きで描いてほしい気持ちは否めない。) 好きになれる要素はあるはずなのに。 吸血鬼も百合も廃墟も、それぞれの従来のイメージを一歩も跳躍しないというか。 キャラクターも描き分け、して、いる。 が、いわゆる他者が一切登場しない。 世界はふたりのためにあるの的な世界が揺らがない。 するとキャラクターそれぞれの芯の部分があまりに似通いすぎてきて、ふたりのコピペどころか全員が同一人物にも見えてくるのだ。 あるいは、百合の根源のナルチシズムを描くためにわざと……、ということは、なかろう。 いろいろ書いてしまったが、いわゆる百合雑食期なら楽しめたかもしれない。 いまが百合ナイーブ期で心に余裕がないからかもしれない。 ひとまず本棚に入れて、数年後取り出してみる。

Posted byブクログ