初詣の社会史 の商品レビュー
毎年多く人が訪れる初詣.その起源と展開をめぐる体系的な初めての研究書.国家による庶民へのイデオロギー注入政策として形成されたのではなく,近世の恵方詣を淵源に,鉄道の集客政策もともなって庶民に広まった後,知識人が影響を受けて,さらに「国民的行事」として定着したその歴史を探る.
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初詣は古くからある伝統行事のように思われているが、「実際には、初詣は明治期の成立以来今日に至るまで一貫して「鉄道+郊外」という近代都市の基本要素と密接に関わりながら成立・展開してきた、すぐれて近代的な産物であった。」ことを論証するアカデミックで面白い本である。 初詣の人出が多い寺...
初詣は古くからある伝統行事のように思われているが、「実際には、初詣は明治期の成立以来今日に至るまで一貫して「鉄道+郊外」という近代都市の基本要素と密接に関わりながら成立・展開してきた、すぐれて近代的な産物であった。」ことを論証するアカデミックで面白い本である。 初詣の人出が多い寺社の多くが複数の鉄道路線でアクセス出来るのは偶然ではなく、国鉄と私鉄の乗客争奪戦により需要を掘り起こした結果であるという指摘は歴史社会学の面目躍如といったところ。 ただ、値段が恐ろしく高い(6,400円+消費税)のが欠点である。
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目次:序章 「国民的行事」はいかにして誕生し,持続しえたのか、第1部 初詣の成立;第1章 明治期東京における初詣の形成過程,…他、第2部 初詣とナショナリズムの接合;第3章 二重橋前平癒祈願と明治神宮創建論争,…他、第3部 初詣の展開―都市の娯楽とナショナリズム;第5章 関西私鉄...
目次:序章 「国民的行事」はいかにして誕生し,持続しえたのか、第1部 初詣の成立;第1章 明治期東京における初詣の形成過程,…他、第2部 初詣とナショナリズムの接合;第3章 二重橋前平癒祈願と明治神宮創建論争,…他、第3部 初詣の展開―都市の娯楽とナショナリズム;第5章 関西私鉄・国鉄と「聖地」,…他、終章 鉄道が生み出した娯楽行事とナショナリズムの接合
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