ダーウィンと進化論 の商品レビュー
業績の紹介と人生の紹介のバランスがよくて、読み物として面白く読めた。注もくわしくて、秀逸。 ダーウィンがビーグル号に乗り組んだのはとても若いときだったんですね。(22歳)しかも、無給の博物学者として(つまりボランティア)乗り組むという条件で、一度は父に「時間の無駄」と強く反対され...
業績の紹介と人生の紹介のバランスがよくて、読み物として面白く読めた。注もくわしくて、秀逸。 ダーウィンがビーグル号に乗り組んだのはとても若いときだったんですね。(22歳)しかも、無給の博物学者として(つまりボランティア)乗り組むという条件で、一度は父に「時間の無駄」と強く反対されてあきらめたのだけど、母方の叔父(母の弟)が父と「ものすごいいきおいで言い合」って父の考えを変えさせたおかげで、乗り組むことができたと。その叔父、ジョサイア・ウェッジウッドは、なんと、あの陶器のウェッジウッドの創業者の息子。そういう家柄だったのか。いろいろおどろく。 そして5年にもおよぶ航海と、各地に滞在しての綿密な調査。膨大な事実を収集して、それから20年以上もかけて考えをまとめ、論を練り上げて『種の起源』を書いた……。そのころにはずっと体をこわしてあまり人とまじわったりはしなかったそうだけど、それでも各界からの激しい反対はきっとこたえたことだろう。いまのようにSNSなんかなくてよかったよね。あったら死にそう。 大学で専門に学んだ分野ですらなかったのに、ほんとうにすごいことだなとしみじみ感じ入った。
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