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フランク・ザッパを聴く アルバムガイド大全 の商品レビュー

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2018/01/04

 2015年発売の「ダンス・ミー・ジス」が通算100枚目の発表だったことを記念して、フランク・ザッパの全作品100枚を解説した456頁に渡る本。  著者は「大ザッパ論」等を書いている、ザッパ・ファンの間でも有名な大山甲日氏。  ビデオアーツ・ミュージックから発売された紙ジャケ...

 2015年発売の「ダンス・ミー・ジス」が通算100枚目の発表だったことを記念して、フランク・ザッパの全作品100枚を解説した456頁に渡る本。  著者は「大ザッパ論」等を書いている、ザッパ・ファンの間でも有名な大山甲日氏。  ビデオアーツ・ミュージックから発売された紙ジャケットに封入されていた解説を元に加筆を行ったとのこと。  僕が持っているザッパの殆どはMSIからリリースされたものなので、本書の内容は殆どが初めて目にするもの。  通算100枚とはいっても、ビート・ザ・ブートのシリーズや、編集物は除外されている。  1枚につき大体3頁を割いているが、中には2頁であったり、100枚目にあたる「ダンス・ミー・ジス」には9頁を割いている。  音楽の話だけではなく、哲学・政治・数学・物理学と、それこそザッパの音楽のように、幅広い内容が書かれている。  そのどれもがザッパという人物、ザッパの音楽を知る上で重要な要素になっているのだろう。  とにかく大山甲日氏の博学ぶり、きめ細かいデータ分析、なによりもザッパ愛に溢れている。  贅沢を言わせてもらえれば、曲単位でのインデックスが欲しかったところ。  それと、これだけの大作なのに、誤字脱字がかなり多いのが残念(例えばソ連とアメリカの「冷戦時代」を「連戦時代」と印刷されたりしている)。  この誤字脱字の多さは人によっては本書を著しく低く評価してしまう恐れもあるので、何かの形で正誤表の発表があるといいな、と思う。  いずれにしろ、読んでいる最中は、該当するザッパの音楽を聴きながら、非常に良い時間を過ごすことができた。  最後に、フランク・ザッパ亡き後、彼の遺産管理組織であるZappa Family Trustの経営者として、(さまざまな批判があったにしろ)ザッパの残した作品の管理を行い、昨年(2015年)10月7日に死去された、奥さんのゲイル・ザッパのご冥福をお祈りします。

Posted byブクログ