悪名残すとも の商品レビュー
評価としては3.5くらいかなと 興味深く読んだことは間違いない。今まで知らなかった武将について、そして中国地方の覇権争いについて大枠を知ることができた。 また敵方となる武将との心の交流とすれ違いも切々と心に迫るものがあった。
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戦国時代の陶晴賢の人生を通じ、現代社会にも共通する人間関係の難しさ、世の中の理不尽さが描かれていて、読んでいて感情移入し、大変身に染みる。
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中国地方全域から九州北部にかけて絶大な影響力を持った大大名大内義隆の筆頭家老にして主君の寵童であった陶隆房が、いかにして下剋上を起こさねばならなかったのか。 戦友にして親交の深い毛利元就とは、どこで生き方が変わってしまったのか。 非常に面白かった。
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中国地方で覇を争った大内家の筆頭家老、陶隆房の話。 それほど興味がない大内家だったんだけど、隆房に気持ち入りまくりました。 一冊完結系の歴史本にしては、よかったです。 隆房が一生懸命大内家を支えようとするんだけれど、その気持ちは主君の義隆には伝わらず、諫言を繰り返すために鬱陶し...
中国地方で覇を争った大内家の筆頭家老、陶隆房の話。 それほど興味がない大内家だったんだけど、隆房に気持ち入りまくりました。 一冊完結系の歴史本にしては、よかったです。 隆房が一生懸命大内家を支えようとするんだけれど、その気持ちは主君の義隆には伝わらず、諫言を繰り返すために鬱陶しがられてしまう。 あんなに優しかった主人はどこにいってしまったのかと、その面影を求めて、苦しむばかり。さすがに衆道の関係にあっただけに、恋愛に近い感情がある。 そして、志を共にしてきたと思った毛利元就にも最終的に裏切られてしまう。毛利側の気持ちも、隆房の気持ちもよく分かるだけに切ない。 隆房のために最後まで働く部下あり、裏切っていないのに主人に疑われて処刑されてしまう部下あり、この時代の武士たちの男同士の友情や忠誠心に胸が痛くなりました。 どの人も生き抜くために必死な時代。誰も悪いなんて思わない。ただ、隆房の失敗の原因は、信念をしっかり持ち、それを貫かず中途半端に終わらせてしまったことかな?
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大内家に仕える陶隆房(晴賢)と毛利元就の戦いの物語だが,大内義隆が息子の春持を亡くしたことや文官の相良武任の唆しなどで治世が混乱するなかで,数々の諫言で義隆を盛り立てていく隆房.元就は尼子との合戦で隆房の力量を評価する.武任の策略で混乱する大内義隆に手を焼いた隆房は主君義隆を自死...
大内家に仕える陶隆房(晴賢)と毛利元就の戦いの物語だが,大内義隆が息子の春持を亡くしたことや文官の相良武任の唆しなどで治世が混乱するなかで,数々の諫言で義隆を盛り立てていく隆房.元就は尼子との合戦で隆房の力量を評価する.武任の策略で混乱する大内義隆に手を焼いた隆房は主君義隆を自死に追い込む.その中,隆房と元就との間に隙間風が吹くようになり,元就が離反し,厳島の戦いで晴賢が敗れる.ある程度の事前の知識があったので,楽しく読めたが,人を束ねていく難しさが全編に渡って頻出する話だった.地元の広島と山口の地名が数多く出てくるが,ほぼ位置がつかめたのでさらに楽しめた.
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西国大内家の重臣として活躍した陶隆房について書いた本です。 この本では、毛利元就の居城である郡山城を尼子家が攻めた郡山合戦から陶隆房改め陶晴賢が厳島合戦で自刃したところまでが描かれています。 陶隆房は主君である大内義隆に謀反し、主君を殺した人物で、その後に毛利元就に討たれてし...
西国大内家の重臣として活躍した陶隆房について書いた本です。 この本では、毛利元就の居城である郡山城を尼子家が攻めた郡山合戦から陶隆房改め陶晴賢が厳島合戦で自刃したところまでが描かれています。 陶隆房は主君である大内義隆に謀反し、主君を殺した人物で、その後に毛利元就に討たれてしまうことから、明智光秀のようなイメージもありましたが、この本のタイトルにもある、悪名を残してもやりたかったことが何か?、がよく分かるような作品でした。 ↓ ブログも書いています。 http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-a24d.html
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代々大内家に仕える陶隆房は、主君を註し下剋上を成し遂げる。 しかし、その後毛利元就に敗れ、悪名のみを残すことになる。 謀反を起した理由は、大内家を慕い大内家中をまとめ上げ、そして大内家が西国の覇者として、やがては天下人となることを願ったためであった。 しかし、大内家にはそこまで...
代々大内家に仕える陶隆房は、主君を註し下剋上を成し遂げる。 しかし、その後毛利元就に敗れ、悪名のみを残すことになる。 謀反を起した理由は、大内家を慕い大内家中をまとめ上げ、そして大内家が西国の覇者として、やがては天下人となることを願ったためであった。 しかし、大内家にはそこまでの器量はなく、己の分を知り域内の安定を図った、知将毛利元就によって討たれることとなる。 ちょうどいま放送されている大河ドラマ、真田丸を観るように、戦国時代の武将の腹の探り合いが描かれている。 実際表に出る、戦い、領地をめぐる争いのほかに、そこまで至る、各武将との腹の探り合い、そして、相手の動きに呼応する武将たちの動きによって、さらにその真の意味を探る。 その行動は、二重三重の意味を持ち、相手がどこまで見切るかによって、その力量が試される。 読者は、それを俯瞰することによって、全体の面白さを感じる。そんな作品だった。 だが、知力にすぐれた陶隆房が、時として簡単にその知力を捨てるような場面があり、筋書きを優先させたと思われてしまう残念さが少しあった。
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陶隆房というと猛将のイメージがあり柴田勝家のような感じだと思っていたが美男子でしかも大内義隆の寵童だったとは。イメージが変わりました。陶隆房は謀反人のイメージしかなかったが明智光秀のように謀反を起こす理由があるのだと思うと興味がある人物である。陶隆房と毛利元就が盟友でお互いを認め...
陶隆房というと猛将のイメージがあり柴田勝家のような感じだと思っていたが美男子でしかも大内義隆の寵童だったとは。イメージが変わりました。陶隆房は謀反人のイメージしかなかったが明智光秀のように謀反を起こす理由があるのだと思うと興味がある人物である。陶隆房と毛利元就が盟友でお互いを認め合う仲なのに宿敵として西国の覇権を争うのは面白かった。また大内義隆と陶隆房の思惑の違いもよくわかった。大内義隆も暗愚なイメージがあるが実際はそうではなく政治方面に向いている父祖代々の地を広大な領土を守ってきたのが義隆というのは頷けるものである。主君大内義隆を想い、慕い続ける陶隆房の考えが章を進んでいくごとに変わっていく感じがよくわかった。大内氏の家臣やその方針、陶家の家臣まで良く分かった。とても面白い作品であった。
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