馬を飛ばそう IoT提唱者が教える偉大なアイデアのつくり方 の商品レビュー
とても素晴らしい本。 これに対してまずすべきことは、イノベーションの実例として登場した多くの人物について、どういう環境で何をしてどうなった?をリスト化して振り返ることだと思う。筆者の考察はもちろんとても有効だが、(あるいは、筆者の考察に基づけばこそ、)最も頼りにすべき道しるべは&...
とても素晴らしい本。 これに対してまずすべきことは、イノベーションの実例として登場した多くの人物について、どういう環境で何をしてどうなった?をリスト化して振り返ることだと思う。筆者の考察はもちろんとても有効だが、(あるいは、筆者の考察に基づけばこそ、)最も頼りにすべき道しるべは"事実"であるから。 以下、のんびりと加筆していきます モーツァルトの頭には、急に名曲が湧いてきたりしない。作って変えて変えて消して作って作って変えて作って変えて変えて全部消して作って...みたいなのが彼の手紙にある実像。 エドモン 植物に受精の概念がなかった時代、原産地でしか繁殖させられなかったがとても貴重だったバニラについて、受粉の方法を発見。奴隷だが、主人は彼の発見を横取りせず讃えた。 ピロリ菌の"発見"、放射線科医はゴリラが写ってても気付かない(フレームワーク) 血管新生の人 解剖直後の死の産科医(しかし紳士であるから清浄である)、改革しきれずかわいそうな死 パラシュート屋さんの死んだ人と生きた人、頑固さは同じだが、事実に目を背けたか向けたかは違ったふたり ロザリンドフランクリン ラッダイト運動 あなたがコカコーラを飲むまでの数ヶ月 あなたがコカコーラを飲むまでの2000年 馬を飛ばす兄弟(ライト兄弟) セサミストリート グリア細胞の機能を発見していた人、巨人カハールの余韻 ロッキード社の"やってみせろ" ...もっとあったと思うんだけど、すぐ思い出せるのはこのくらい。 とにかく、天才はいない。多少すごい人はいるとしても、それは本気出した凡人10人にはたぶん敵わない。発見は駅伝みたいなもので、前の人からバトンをもらわなければ、誰も1区より先は走れない。現代は少なくとも2000年の間人類が渡してきたバトンリレーの最先端。10年後には、今から10年分のリレーで達する位置に至り、現代は10年前と呼ばれる。
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アイデアを出すにはいろいろなことが要求されるという常識がある。例えば、ひらめきがアイデアを生むのに必要な道具だ。動く前に考える。しかし、著者はこれらの常識という名の都市伝説に異議を唱えている。 ものを考えるプロセスを特別視しないことを説いている。「創造は魔法ではなく、地...
アイデアを出すにはいろいろなことが要求されるという常識がある。例えば、ひらめきがアイデアを生むのに必要な道具だ。動く前に考える。しかし、著者はこれらの常識という名の都市伝説に異議を唱えている。 ものを考えるプロセスを特別視しないことを説いている。「創造は魔法ではなく、地道な努力の結果なのである」と言うように、想像にいたるまでのプロセスは、華麗なものではなく目立たないものだとも述べている。 アイデアを出すのに特別なテクニックや魔法があるわけがない。もしあったら誰も苦労しないのだから。
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IoT はほとんど関係なくて、世界面白発明物語というべき内容。 創造性の神話を破壊することが目的なのだが、ひらめきは天才にしかできないが努力なら誰でもできる⋯⋯というのも嘘なので、なかなかに創造性を発揮するというのは難しいものなのだ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
創造性は特別な人間に訪れる特別な瞬間ではない、単調で地道で粘り強い作業の積み重ねだ ・思考は飛躍しない。問題を解決したり創造したりするのに必要なのは、知覚が不意に変わることではなく、観察と評価と反復だ。 ・無意識のうちにすばらしいアイディアを思いつく、アハ・モーメントも神話にすぎない。不確かな状況を打開したくて解決策に飛びつきたくなったり、初めから正しくありたい、苦労せずに勝ちたい、など不可能な願いがアハ・モーメントなどの創造性の神話を生み出した。 ・ブレインストーミングも実際にはうまくいかない。インスピレーション、アイディアがうかぶことと創造は同じではない。創造というのは「なぜこれはうまくいかないのか」「どうすればうまくいくのか」を問い続けることだ。創造はインスピレーションではなく実行。アイデアを持っている人はいくらでもいるが、それを実現しようと段階を踏む人はほとんどいない。この世は手をつけただけのものであふれている。 ・初心に帰ることはとてもむずかしい。本当の初心者は存在せずわれわれは生まれついた瞬間から人から教えられたり自分で推測したりしながらパラダイムを構築している。真の熟達者は、自分がパラダイムの制約を受けながら活動していることを理解しており、何が前提になっていのか、その前提をいつ保留すべきかを理解している。 ・自信は自分を信じることだが、確信は自分の考えを信じることだ。自信は先へ進む橋になるが、確信は道をふさぐ壁になる。 ・報酬は単純な問題の場合は正答率をあげるが、オープンマインドで考える必要がある問題(創造的な仕事)の場合は報酬があるとかえってパフォーマンスがおちる。
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