真実の10メートル手前 の商品レビュー
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「名を刻む死」 京介くんの気持ちが痛いくらいわかる。 太刀洗さんが紡いだ言葉が、しばらく頭から離れなさそうです。 太刀洗さんのやっている仕事の重みが、最後の台詞に詰まっていると感じました。 「ナイフを失われた思い出の中に」を読了すれば、尚更。
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「真実の10メートル手前」 見つけることは出来た。 電話の内容を聞いた時点で、翌日まで待つことなく飛び出していたら結末は変わっていたかもしれないな。 「正義漢」 事故ではなく事件な訳。 脳内で勝手な分類分けを行っているからこそ、行動に移した後も逃げることなく堂々と現場にいたのだ...
「真実の10メートル手前」 見つけることは出来た。 電話の内容を聞いた時点で、翌日まで待つことなく飛び出していたら結末は変わっていたかもしれないな。 「正義漢」 事故ではなく事件な訳。 脳内で勝手な分類分けを行っているからこそ、行動に移した後も逃げることなく堂々と現場にいたのだろ。 「恋累心中」 二人の最期は苦しみに。 簡単に聞き出せる悩みでは無かったとはいえ、本人たちが口にしないのであれば家族に聞けなかったのか。 「名を刻む死」 気付いた時には遅くて。 持病の悪化など何かあったとしても、直接会う事なく遠目から見ただけで生死を判断するのは難しいだろ。 「ナイフを失われた思い出の中に」 証拠品は袋の中にあり。 その時には最良の結果だと思い行ったことだったとしても、後ほど冷静になってみれば悪手だったろうな。 「綱渡りの成功例」 食べるために必要な物。 具体的に口にしてしまったからこそ生まれる疑問だが、憶測だけで偽りの情報が広まる前に動くべきだろ。
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フリーライターの太刀洗万智が主人公の短編集。 印象に残った言葉の引用 ①記事を書くという仕事を人間の器官に例えるなら「目」である。 目とは人が見たいと思っているものを見るための器官であり、錯覚にまみれ、そこにあるものを映さない。 私たちは人々がみたいと思っているものを見せるために存在します。そのために事実を調整し、注意深く加工するのです。それは実際の目が行っていることと同じです。 ②錯覚するのは目ではありません。目はレンズに過ぎない。映像が乱れるとしたらそれは筋肉のせいであり、脳のせいです。 もし単に目であろうとしたなら脳には忠実でなければならない。しかし、目にたとえた私の言葉にあなた自身は賛同しなかった。 本来のフリーライターという仕事で言えば①でそれが時に事実とかけ離れて報道されることがあり、非難の的になることもある。 本著は皆が考える筋書きを太刀洗が丁寧に解き明かしているところが可燃物と似ていると思った。 ただ本著はフリーライターなので、事件を主人公が解決することはなく、書いた記事やその後が出るわけでもない。 太刀洗の、性格や展開がおもしろく一気読みだった。 個人的には「正義漢」と「ナイフを失われた思い出の中に」がよかった。
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フリーライター太刀洗万智さんが出てくる短編集。苦しくなるようなミステリーだけど彼女の存在があって救われる気持ちになる展開だった。
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ジャーナリスト「太刀洗万智」の取材を通した短編集。私たちが知ることはメディや媒体のうわべだけ。底に隠された真相を知ることは時に痛みを伴う。その痛みを引き受けていく万智の強さを感じた。それが万智の記者としての矜持なのだろう。
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ミステリ かかった時間 2時間半くらい? 米澤穂信の短編集。太刀洗万智という女性記者がさまざまな事件の裏に隠された真実を明らかにする。本を選んだ理由は短編で読みやすそうだからであり、実際に短編で読みやすかった。暇な時になんとなく読むのにちょうどよかった。
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「王とサーカス」に登場した太刀洗万智が新聞社を経てフリー記者として活躍する短編集。 長身長髪に切れ長の目、クールで鋭い洞察力を持つ太刀洗万智の“できる女感”が魅力的。 表題作「真実の10メートル手前」は、何気ない会話のフレーズから推理を組み立てて徐々に真相へ近づいていく様が良い。...
「王とサーカス」に登場した太刀洗万智が新聞社を経てフリー記者として活躍する短編集。 長身長髪に切れ長の目、クールで鋭い洞察力を持つ太刀洗万智の“できる女感”が魅力的。 表題作「真実の10メートル手前」は、何気ない会話のフレーズから推理を組み立てて徐々に真相へ近づいていく様が良い。 「名を刻む死」と「綱渡りの成功例」は、罪悪感に苛まれる事件の当事者に寄り添った太刀洗万智の気遣いが胸を打つ。言葉選びも巧みだ。 謎めき度と意外性は「恋累心中」が秀逸。第三者目線から太刀洗万智の特長を描くのも良い。 「ナイフを失われた思い出の中に」は、“手記”が16才の少年が書ける文体では無いよなーと違和感を持ち、中々話に入り込めなかった。 太刀洗万智が登場する〈ベルーフ〉シリーズ最初の作品「さよなら妖精」も読んでみようっと。 週刊文春ミステリーベスト10 2位 このミステリーがすごい! 3位 本格ミステリ・ベスト10 7位 SRの会ミステリーベスト10 8位 ミステリが読みたい! 1位 〈ベルーフ〉シリーズ 1.さよなら妖精 2.王とサーカス 3.真実の10メートル手前
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「さよなら妖精」、「王とサーカス」に続く、大刀洗万智シリーズの短編集。 謎解きだけでなく、大刀洗がジャーナリストとして事件や仕事とどう向き合っているかが各短編の事件を通して描かれており、仕事小説としての側面も感じた。 また、特に後半の3編では事件の背景や関わった人々の思いの謎が明...
「さよなら妖精」、「王とサーカス」に続く、大刀洗万智シリーズの短編集。 謎解きだけでなく、大刀洗がジャーナリストとして事件や仕事とどう向き合っているかが各短編の事件を通して描かれており、仕事小説としての側面も感じた。 また、特に後半の3編では事件の背景や関わった人々の思いの謎が明らかになり、1つ読み終えるごとに起きたことの重みや報道することの功罪を考えさせられ、余韻が残る短編集だった。
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記者である大刀洗を中心にした短編集。 とても読みやすく面白い。 ドキドキハラハラするというよりはじっくり謎を追いかけていく面白さ。
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= 真実の10メートル手前 急成長したベンチャー企業の経営が破綻し,その責任を問われた創業者の姉(?)が失踪。 新聞社の記者,太刀洗万智がその妹から依頼されて,失踪した姉の所在を探る。 少ない手がかりから居場所を特定し,前夜に食事をした店まで突き止めるも, その夜の内に店近くの路上の車内で,排気ガス引き込みによる自殺をしているのを発見する。 = 正義漢 電車内で迷惑行為をしていた男がホームから突き落とされて死亡。 太刀洗万智が,犯人の正義漢を利用して,犯人をおびき出す = 恋累心中 高校生の男女が遺書を残して心中を図る。しかし,死体の発見場所が離れていることから 単純な心中ではないことを見抜き,背景にある親族による強姦事件と 政治家への爆弾送付事件とを結びつける 真相は,高校教師が黄燐による発火装置を作成して送りつけたものの, 黄燐の管理の監査が入ることを恐れ,心中をしたい高校生に黄燐を自殺のための 薬物として使わせた。 黄燐は毒性が強いが,即効性がなく,死に至るまで苦しむことになった。 = 名を刻む死 一人暮らしの老人が死んでいるのが発見された。 老人は近所とのトラブルの耐えない人物だった。 発見者は近所の高校生で,老人が自分の父親に雇用を懇願していたにもかかわらず 父が断ったことが,死に繋がったと考えて悩む。 それは単に老人が,無職のまま死にたくないという, 勝手な思いによるものだった。 = ナイフを失われた思い出の中に 姉の娘を刺殺した罪で,男が逮捕される。 実は男は姉が殺したと思い込み,それを庇うために自分がやったと主張していた。 しかし,真相は,ロクデナシの姉弟の父親が金をあさりに来た時に殺したものだった。 ユーゴスラビアから訪れた男へ,太刀洗万智が事件を説明する形で話が進む = 綱渡りの成功例 土砂崩れの中から救出された老夫婦。せっかく助けられたのになぜか悩んでいるふうなのは,生き延びるために,死亡した隣家の冷蔵庫を利用していた罪悪感による ものだった。 僅かな手がかりからそれに気付いた太刀洗万智が,老夫婦から告白を引き出す。 それは,真実を話したいと望んでいた老夫婦の願いに沿うものだった。
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