総合診療のGノート(2-6 2015-12) の商品レビュー
普段から高次医療機関への搬送にかなり悩まされていて(指定されたルール通りにやってもあとで陰口叩かれたりキレられたりとかね)、また地域の診療所から紹介を受ける側として創意工夫をし続けている身としても、今回は特集タイトルみただけで即買いしてしまいました。 感想としては、「もうちょっ...
普段から高次医療機関への搬送にかなり悩まされていて(指定されたルール通りにやってもあとで陰口叩かれたりキレられたりとかね)、また地域の診療所から紹介を受ける側として創意工夫をし続けている身としても、今回は特集タイトルみただけで即買いしてしまいました。 感想としては、「もうちょっと突っ込んで欲しかった」てところでしょうか。 既に自分が勉強したり実践しまくっているので、求めるレベルが高すぎた(マニアック過ぎた)という可能性もあります。 もしかしたら、紹介を受ける側・救急側・大病院側の立場から衝撃的な書き方をしすぎたり、紹介する側・プライマリケア側から偉そうなことを書いたりすると、著者同士や地域の病診連携、ヘタすると学会同士で問題になりそうだ!ということで、検閲的な感じでマイルドに収まったんじゃないかと思ってしまうくらい、ふんわりした内容でした。 もっとガッツリエビデンスを並べまくってとか(ちょいちょいはありますが全体的には経験談主体、最初の編集者の解説でもエビデンスは少ないし経験を集めることに意義があると記載がありそれは納得ですがエビデンスの最前線のラインがどこまでかは知りたい気もします)、異業種で行われている連携の紹介と医療業界への外挿例とか(少し似たような内容のはありましたね)、やってしまった失敗事例とその集団的・多面的分析とか、地域に新規開業してから後方医療機関との関係を作っていくための成功例や戦略(とその基盤にある理論・手法)とかそういうのをマニアックに煮詰めてくれたらと思っていたので少し肩すかし気味。 (そういうマニアックなのは、藤沼先生のところのジェネラリスト教育コンソーシアムの得意ジャンルなのかもしれませんね) などといろいろ書きましたが、あくまで地域医療や地域連携にずっと関心を持ってやってきた中堅医師の視点での感想であり、初期・後期研修医レベルであれば確実に役立つ内容は詰まっていると思いますので、そういう人にはおすすめです。
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