研究者としてうまくやっていくには の商品レビュー
先輩リケジョ Mukoさんからのお勧めです。 研究者に、どのようなイメージをもっていますか。 孤高の人? 高等遊民? いえいえ、そんな時代は終わったのですと、長谷川修司先生(東京大学理学部)は、著書「研究者としてうまくやっていくには」の中で書かれています。私が、この本を読んで直感...
先輩リケジョ Mukoさんからのお勧めです。 研究者に、どのようなイメージをもっていますか。 孤高の人? 高等遊民? いえいえ、そんな時代は終わったのですと、長谷川修司先生(東京大学理学部)は、著書「研究者としてうまくやっていくには」の中で書かれています。私が、この本を読んで直感的に思ったのは「経営者」というワード。どう稼ぐのか(予算取りするのか)、チームをどう作るか、チームのメンバー(学生も含めて)をどう育てるのか、モチベーションン高く研究をしてもらうのか。これは、企業における経営者やマネージャーと同じだととつくづく。著書の中には、人を育てるコツとして山本五十六の「やってみせ」が引用されるほど。 また、この本には、学部の学生、修士の学生、博士の学生、そしてポストドクなど、それぞれどのようなことをポイントに過ごせばよいかが具体的に書いてあり、これから研究者を目指す人や、大学ってどんなところだろう?と思っている高校生にもとても参考なると思います。そして、博士課程の学生は、学生だけど社会人と同じでプロの研究者としての自覚が求められるとか、学会発表一つにしても一つ一つ戦略的に取り組めなど、大学での生活の毎日を丁寧に過ごすことの大切さを改めて感じます。色々な世代の方にお勧めです!
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■学会発表 ・学会発表までに原著論文の原稿を書いておくとよい。 論文原稿をほぼ完成させるが、投稿はしない状態で学会発表に臨む。 原稿を書くことが学会発表の事前準備にもなる、自分が見落としていた観点 の質問と議論を原稿に取り入れてブラッシュアップできるというメリットが ある...
■学会発表 ・学会発表までに原著論文の原稿を書いておくとよい。 論文原稿をほぼ完成させるが、投稿はしない状態で学会発表に臨む。 原稿を書くことが学会発表の事前準備にもなる、自分が見落としていた観点 の質問と議論を原稿に取り入れてブラッシュアップできるというメリットが ある。 ・プレゼンの際は「胸が開く」位置に立つ。聴衆を受け入れているという暗黙 のサインになる。反対に、スクリーンのほうを見る体勢は、聴衆に対して疎 外感や拒絶感を与えてしまう。 ※面と向かって顔を見ながら話されると、興味のない内容でも聴衆は思わず 聞き入ってしまう。 ★PCの制御機能が付いたレーザーポインターを持っておけば、演台の位置に 左右されず、自分のやりやすい「立ち位置」でプレゼンできる。 ・自分にとって初めてのテーマで発表するときはポスター発表を選ぶとよい。 その分野の研究者からのアドバイスを期待できる。 ・研究発表を聞くとき、それぞれの発表の良い点と悪い点を評価して、はっき りメモする。下手なプレゼンこそ勉強になり、自分のプレゼンの改善に役立 つ。基調講演や一般講演で内容的に興味がない場合は、その講演をプレゼン の研究として利用するのもよい。 ■研究活動 ・重要で大きな研究テーマに取り組む場合は、「小ネタ」の研究も並行すると よい。コンスタントにアウトプットが見込まれる小ネタ、従来の研究の延長 線上の研究、共同研究などで「日々の糧」を稼ぐ。この副次的な効果として、 自分の研究の幅が広がって研究者としての「引き出し」を増やすことができ ること、大きなテーマが失敗した場合の保険になること、「小ネタ」が思い がけず大きなテーマに成長していく可能性があることが挙げられる。 ・中心となるテーマに自分の軸足をしっかりと置いて、研究にある程度「筋」 を通しつつ、もう一方の足を様々な方向に踏み出して研究を拡げていく。 ・前倒し型自転車操業:研究費の申請書を書くときは、自分ですでにかなり進 めてある研究内容で申請する。その成果の一部を予備実験の結果として紹介 することで、審査員に対する実現可能性の説得力が増す。 ■論文執筆 ・執筆順序 「研究結果と考察」から書き始める。得られたデータから論文用の図を作る。 いくつかの図を並べてみて、それぞれの図から何が結論できるのかを書き出 してつなげていく(たとえば、主張点に直結するグラフ→主張を補強するた めのグラフ→主張点の原因を探って議論を一段深めるためのグラフの順)。 「結果と考察」を書いてしまえば、「研究方法」および「結論」のセクショ ンは自然に書ける。「イントロダクション」は最後に書く。メイン部分が確 定してから書けば、一般的な背景から本研究までのつながりを我田引水のよ うに効率よく書くことができる。 ・査読対応 査読コメントに反論するときは、低姿勢かつholisticを心掛ける。査読者よ り一段高い視点から、問題の全容を見渡して見解を述べることによって、コ メントが的を射ていないことを間接的に示す。 ・「英作文はするな。良いジャーナルに載っている論文の言い回しをまねろ」 効率が良いだけではなく、まねしながら学ぶことができる。文の構造はその ままで、言葉だけを入れ替えればいい。 ・英語論文を読む中で、良い例文を集めた英語例文集を作るとよい。その際、 イントロダクションで使う例文、方法の説明で使う例文、結果の説明で使う 例文、考察で使う例文、結論で使う例文といったように、セクションごとに 分けて集めるとよい。いずれ、適切な表現がすらすらと出てくるようになる。
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研究とは、研究者とはを丁寧に解説。人に聞かなきゃ教えてもらえないようなリアルを教えてもらえた。大学院生必携の1本かも?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
守破離を守る日本人外国人講師のシャドースピーキングプロの研究者は常識的な生活習慣の中で研究を着実に進める国内学会で顔を合わせても親密にならなかった日本人研究者とも不思議なもので海外では仲良くなりやすく、国内人脈も海外で作れることがある今の自分の考え方を真っ向から否定された特に飲み会と留学に強いヘイトがあるのだが、守破離の守のフェイズのようにとりあえずは文句を言わずにしばらく我慢してみようと思った全ての読者に共通するわけではないが、素直でない自分に気付かせてくれた良書だと感じたまた読みたい
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私自身は大学図書館員で、文系(文学部)の出身なのだが、大学の研究者がどのように思っているのかが理解できたと思う。
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大学生から教授まで、各ステップごとの心構え、そのポジションに何が求められているのか。一度民間企業を経験しているとのことで、大学に残ってエスカレーター式にただ登っていく解説ではなく、色々選択肢を例示している。研究者ってこんな感じなんだ~と気軽に読める。
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本のタイトル通り、研究者(特に大学の先生)として生き残る方法について大学院生、ポスドク・助教、准教授、教授と各段階での研究者の位置付けを具体的に書いた本。 著者は当たり前的なことを書いたと前書きに書いてあったがきちんと文書化したことに価値がある。 特にポスドク・助教から准教授へ至...
本のタイトル通り、研究者(特に大学の先生)として生き残る方法について大学院生、ポスドク・助教、准教授、教授と各段階での研究者の位置付けを具体的に書いた本。 著者は当たり前的なことを書いたと前書きに書いてあったがきちんと文書化したことに価値がある。 特にポスドク・助教から准教授へ至るプロセスは非常に示唆のある内容で若手研究者にとって必読の一冊である。
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現在の自分の立ち位置を含めて非常に参考になった本であった。社会人で大学院に進学する方にもぜひ読んで頂きたいと感じた。
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初心に返るために。 理系研究者に向けた内容だが,自分の境遇に応じて適宜読み替えれば,文系研究者にも役立つだろう。
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学部生からPIになるまで、各段階での心構えがわかりやすい。研究者をめざしたいけれど何から始めたらいいかわからない、という学生にすすめたい。
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