村上春樹は、むずかしい の商品レビュー
「ー」 村上春樹の作品について、それぞれの時代毎に分類分けした本。よくある春樹解説本ではなく、なかなかにレベルが高かった。どこまで村上春樹自身が意識してそう書いていたのかは分からないが、やはり文学の持つ意義はすごいと感じた。
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たまには自分があまり手に取らない分野の本を読んでみようと思って購入。 しかし、ザッと全体を流し読みしても、ゆっくりじっくり丁寧に読んでも、何が言いたいのか理解できない。 例えば、「否定性の崩壊に続くポストモダン社会の到来のもう一つの指標は、情報化社会の展開から現れるリアルな世界...
たまには自分があまり手に取らない分野の本を読んでみようと思って購入。 しかし、ザッと全体を流し読みしても、ゆっくりじっくり丁寧に読んでも、何が言いたいのか理解できない。 例えば、「否定性の崩壊に続くポストモダン社会の到来のもう一つの指標は、情報化社会の展開から現れるリアルな世界とヴァーチャル・リアルな世界の反転である」(P88)という記述に続いて「これを日本社会にトレースすれば・・・」と巨人の星とあしたのジョーを例に挙げて説明するが、巨人の星やあしたのジョーのどこにリアルとヴァーチャル・リアルとの反転があるのか、説明を読んでも分からない。 続いて、アニメ映画「AKIRA」について、金田をリアル、鉄雄をヴァーチャル・リアルにカテゴライズするが、なんでそう分類できるのか私には分からない。 他の人のレビューではちゃんと著者の主張を理解してるみたいなので、自分にこの著者の主張を理解する文学や社会に対する素養が足りないだろう。残念。
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加藤典洋の最新春樹論。村上文学が大衆には世界中でウケているが中国や韓国など隣国の知識層にまったく興味を持たれていないことを知った著者が、もっと論じられるべきだと考え、その材料を提示した一冊。たしかに日本でも好意的に書かれた春樹論は無数に出ているが(売れるからね)あまり批判的な批...
加藤典洋の最新春樹論。村上文学が大衆には世界中でウケているが中国や韓国など隣国の知識層にまったく興味を持たれていないことを知った著者が、もっと論じられるべきだと考え、その材料を提示した一冊。たしかに日本でも好意的に書かれた春樹論は無数に出ているが(売れるからね)あまり批判的な批評の対象にはならない印象。嫌いな人が語りたくないのはハルキスト達がウザったいからですかね。 内容的にはデビューから最新作まで発行時系列順に追っていて、特に短編を取り上げて論じられている個所が多いのも目新しく、全作読み返したくなる面白い一冊でした。もちろん著者の論考を全肯定するわけではないですが、「なるほど」とか「いやいや」とかあれこれ論じたくなります。近隣諸国のインテリもそういう気持ちになれば著者の狙いは当たることになりますが、はたして。
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