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一般意志2.0 の商品レビュー

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14件のお客様レビュー

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2016/12/11

ルソーの社会契約論における「一般意志」の解釈を現代の文脈の中で少し広げ、これからの新しい統治の形を模索してみた、というもの。 この一般意志とは、数学的存在であり、単に国民の意思を合計したもの(全体意志)とは違っている。ルソーの時代にはこの一般意志を集約することは不可能であり、そ...

ルソーの社会契約論における「一般意志」の解釈を現代の文脈の中で少し広げ、これからの新しい統治の形を模索してみた、というもの。 この一般意志とは、数学的存在であり、単に国民の意思を合計したもの(全体意志)とは違っている。ルソーの時代にはこの一般意志を集約することは不可能であり、それを集約することができる神のような(架空の)存在に委ねるしかなかったが、現代にはグーグルがありツイッターがある。膨大な個々人の検索履歴やツイート、ブログでの発信、これを統計的に処理し集約して、これをルソーの言う「一般意志」と呼ぶことが出来るのではないだろうか。そして政府はそれに従って統治を進めれば良い。 民主主義には、熟議が必要である。しかし、現代は複雑であり、すべての国民がすべての分野に関して熟議が可能なほど知識を習得することは不可能であり、それゆえ専門家の中だけで政策が進んでしまう現実がある。そのような専門家の熟議に、先にあげた「一般意志」をプラスし、それを参照しながら議論を進めてはどうだろうか。 簡単な要約ではあるが、以上が本書で語られた新しい統治の形である。著者は、このような統治形態の例として、ニコニコ生放送でのコメントを見ながら会議を進めること、などを挙げている。

Posted byブクログ

2016/07/10

面白い。 わりと論旨はわかりやすくて、ルソーが昔語ったようわからんものだった「一般意志」は、現代のICT革命を経て可視化された。それを政治に活かしていったら面白いんちゃうん?て感じかな。 ルソーの一般意志って「人間は真理に自然とたどり着ける」みたいな人間への信頼感が根底にはあると...

面白い。 わりと論旨はわかりやすくて、ルソーが昔語ったようわからんものだった「一般意志」は、現代のICT革命を経て可視化された。それを政治に活かしていったら面白いんちゃうん?て感じかな。 ルソーの一般意志って「人間は真理に自然とたどり着ける」みたいな人間への信頼感が根底にはあると思ってて、2.0ではその人間観はどうかなぁと思ったら、全然変わってないように見える。うーんどうなんだ。なんて読み進めたら、2.0はあくまでカウンターパートとして使うべき。みたいにあって。バランス感覚があるなぁ。なんて思ったけどそれって本末転倒というか、思想の鋭さが鈍った感じもする。そこから先の章は正直紙幅も足りてないしとっちらかってるから流し読み。 熟議やデータベースの限界性とか、人間は結局情念で動くとか、そんな知見も面白く読めた。 仮に一般意志を可視化できるものだとして、そこにはやっぱり頭のいい人たちが必要なんだよな。バイアス緩和のプログラムデザインする人とかね。可視化されたそれを踏まえ正確に読解し、かつ議論を進め、それと対決できる人はなかなかいるのかなぁ。憲法草案に対してだってバイアス取り除いて中立に誤読せず発議してる人だってネットでも少なく見えるのに。そんなことを考える2016年参院選の日。

Posted byブクログ

2016/05/07

一般意志について自分がもやもやしていた部分を大分解決してくれたけど、2.0についてはまだまだ検討の余地がある。

Posted byブクログ

2015/12/08

民主主義は熟議を前提とする。しかし日本人は熟議が苦手と言われる。それならむしろ「空気」を技術的に可視化し、合意形成の基礎に据える新しい民主主義を構想できないか。ルソーを大胆に読み替え、日本発の新しい政治を夢想して議論を招いた重要書。文庫化に際し、政治学者・宇野重規氏との対論を収載...

民主主義は熟議を前提とする。しかし日本人は熟議が苦手と言われる。それならむしろ「空気」を技術的に可視化し、合意形成の基礎に据える新しい民主主義を構想できないか。ルソーを大胆に読み替え、日本発の新しい政治を夢想して議論を招いた重要書。文庫化に際し、政治学者・宇野重規氏との対論を収載。

Posted byブクログ