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税理士が教えてくれない不動産オーナーの相続対策 の商品レビュー

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2018/03/10

相続時における不動産にまつわるトラブルの解決法を12の事例を用いて解説。知っていることが多かったが、具体的事例に基づき臨場感ある感じで解説されており知識の確認ができた。 P16 ~土地に関して最も問題となるのは、相続税算出時の評価です。実際に売却するときの価格より高く見積もって評...

相続時における不動産にまつわるトラブルの解決法を12の事例を用いて解説。知っていることが多かったが、具体的事例に基づき臨場感ある感じで解説されており知識の確認ができた。 P16 ~土地に関して最も問題となるのは、相続税算出時の評価です。実際に売却するときの価格より高く見積もって評価され、高い相続税を支払うことになるというケースが頻繁に見られます。~土地の評価方法や評価するアドバイザーに問題があるため、そのようなことが起こってしまうのです。 土地の評価のいい加減さを裏付ける根拠として、平成23~25年の3年間に相続税として支払った税金のうち、東京国税局管内だけで約47億円が還付されているというデータがあります。還付されるということは、最初の相続税申告時に必要以上に払い過ぎていたということです。 後になって、セカンドオピニオン(相続税額が適正かどうかを別の専門家にチェックしてもらうこと)などで適正な評価額を申し立てて、払い過ぎた分を取り戻した額が47億円もあるのです。今、相続税の評価をしている人たちの能力がいかに心もとないか、推し量れる数字です。 P100 ●実測と登記簿で面積が異なる土地 登記簿に記載されている面積と、実際に測ってみた面積が異なる土地というのもよく見られます。 実際に測ってみると登記簿より広い土地を「縄のび」と言います。昔は面積が広いと年貢をたくさん納めなくてはならなかったため、測量のときに縄がのびたことにして実際の土地の面積よりもあえて狭く届け出たケースがあったのです。 反対に、実際の面積が登記簿より狭い土地を「縄ちぢみ」と言います。この場合は田畑など耕作地の地主が、小作人から小作料を多めに徴収するために故意に面積を多くしたケースや、土地を売買する際に実測面積よりも広く申告して、売買代金を多くしようとしたケースなどが考えられます。 いずれにしても登記簿に書かれた面積が必ずしも正しいとは限りません。 もし縄のびしていたら、相続税や固定資産税が上がってしまいます。逆に、もし縄ちぢみしていたら、思っていたほどの価格で売れなくなってしまいます。 相続では土地に関するトラブルが多いことや、相続税の節税を考える上で不動産の活用が重要であることを述べてきたように、「相続」と「土地」は切っても切り離せない問題です。早めの相続税対策をするためにも、無用な相続トラブルを避けるためにも、専門家による測量を行っておくことを強くお勧めします。 P244 以前、K市にお住まいの方の財産診断をしたところ、貸地の地代と固定資産税のバランスがおかしいことが判明したことがあります。固定資産税は地主にとってその土地の経費に当たりますが、その額があまりにも高く、その土地はほとんど利益を出せていないことになっていました。 借地人に確認してみると現在は自宅として利用しているものの25年前にはその土地で事業を営んでいたことがわかります。固定資産税は住宅地よりも事業用地の方が高くなります。つまり、25年前に住宅用地に変わっていたにもかかわらず事業用地のままの固定資産税を支払い続けていた疑いがあったのです。 早速、K市の資産税課に問い合わせたところ、まさにその通りの結果で、25年間分の払い過ぎた固定資産税300万円を無事に返金してもらうことができました。実はこういった不備を役所が自主的に発見して申し出るということはありません。こちらがしっかりと確認してミスを認めてもらうことが必要です。 財産診断をすることで、不動産の専門家ならではの発見や対応ができるのです。

Posted byブクログ