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禅と戦争 禅仏教の戦争協力 新装版 の商品レビュー

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2022/08/18

太平洋戦争において、仏教界がどのように戦争へ関与していたのかについて。 市川白弦とても興味深いのは禅の思想自体が天皇制のもとに組み込まれた、戦争主体としての日本の中で大きな役割を果たす上で、邪魔になるどころか相乗効果があったようにも見える点(かつそれを是としていた点)であった。 ...

太平洋戦争において、仏教界がどのように戦争へ関与していたのかについて。 市川白弦とても興味深いのは禅の思想自体が天皇制のもとに組み込まれた、戦争主体としての日本の中で大きな役割を果たす上で、邪魔になるどころか相乗効果があったようにも見える点(かつそれを是としていた点)であった。 戦争についての反省については仏教界自体、並びにそれぞれが向き合う問題と個人的には思い、また、それぞれの思想があるので歴史上の善悪について軽々しく語れないと思っているが、本の内容的には歴史の流れの中でやむを得ないとするにはなかなか重い内容に思えた。普段からある仏教のイメージからは少なからず衝撃を受ける。 ただ、どの宗教も俗と切り離せたことなど今までの歴史で一度もないというのは間違いないと思う。 こうした、自分の良いように理屈を作れるという点においては現在においても起こりうる(起こっている)ことと改めて感じる。それは右、左、ナショナリズム、グローバリズム、能力主義などあらゆる立場にいる人が直面するところではないかと。

Posted byブクログ