STAP細胞 残された謎 の商品レビュー

佐藤貴彦(著者)

2016/10/10

「あの日」を読んでから、この本を読みました。このあと「捏造の科学者」を読むんですが、順番を間違えましたね。
「捏造の科学者」→「本書」→「あの日」
と読むのが専門知識的にも良さそうです。
さて本書。専門用語や実験手続きは、その分野に明るくないので、よくわかりません。
でも、筆者が、ひとつひとつ丁寧に、かつ客観的に、時には激しく叱責し、「捏造の捏造」を解きほぐしているのがよくわかりました。

「STAP細胞」はあったと信じたい。

2016/07/10

科学の世界であるはずなのに、実験の結果で得られたものより、きれいに見せるために画像を差し替えるとか、見栄えが論文で重視されることから、過去にも不正論文の事件はあったと知ると、何かファッション雑誌などの編集の夢を与えてくれる世界と同じに聞こえてきました。強い気持ちで探求に望まないと、何か見えないものが見えて欲しいという願望におのれがのみこまれてしまうのか、恐いことだなと思いました。

2016/03/29

『捏造の科学者』を読んで何となくすっきりしないものを感じていたのですが、この本を読んで少しだけすっきりしました。小保方さんの手記を読む前にもっと情報が必要だと思って買いましたが、読んでよかったです。
事件の概要を含め、読者に知識があることを前提としているので、『捏造の科学者』を読んでから読むのがよいと思います。
研究不正、論文不正が起きる理由には同調圧力があるとし、それが連綿と受け継がれていくメカニズムにもページを割いています。指導的立場の人物に対する印象も、『捏造の科学者』とは180度変わりました。ぜひ一読をお勧めします。
すべてが解明されたとはやはり言い難いのですが、『捏造の科学者』と『あの日』だけでは見逃してしまうものが、この本にはあるように思いました。