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ペロポネソス戦争 の商品レビュー

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2019/02/03

ペルシア戦争後、アレクサンダー登場前。 『共通の敵がいなければ味方同士で争うだけ』を地でいく、ギリシャ内におけるアテナイとスパルタの27年間の争いは、 ただの一人の英雄を生むこともなく、多数の都市国家がどちらの陣営に着くかで争い合う内乱中心の戦争であった。 そんな混迷とした戦争...

ペルシア戦争後、アレクサンダー登場前。 『共通の敵がいなければ味方同士で争うだけ』を地でいく、ギリシャ内におけるアテナイとスパルタの27年間の争いは、 ただの一人の英雄を生むこともなく、多数の都市国家がどちらの陣営に着くかで争い合う内乱中心の戦争であった。 そんな混迷とした戦争を、物語にするわけでもなく、時系列に語るわけでもなく。 総括もされないままふわっと終わるので、結局読み終わったときには何も印象に残らない。 万が一や間一髪なエピソードがないわけではないし、アテナイの民主主義とスパルタの軍国主義の欠点も見え隠れするだけに、 この物足りなさはもったいない。 だが、ただ一つ言えるとすれば、こんな断片的で教訓を得にくい複雑な事実の羅列こそ、本当の歴史と言えるのかもしれない。

Posted byブクログ