防災教育の不思議な力 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
究極の判断を迫られる場面で、子どもたちは悩みます。そこが大切です。過去の災害時に自分を投影し、その時の判断を参考にしながらも、自分のこれまでの生活の中での体験や培ってきた考え方を取り入れて、自分の判断を考えようとするのです。そしてその悩みが防災を学ぶモチベーションを高めます。悩んだ経験が、きっと未来の災害時に活かされるはずです。(p.80) 体験談の聞き手は、彼ら、彼女らの語りに「社会的な意味」だけを求め、防災の救世主に祭り上げようとしているのではないでしょうか。語り手自身も「社会的な意味」を伝えようと努力することで、世間が受け入れやすいストーリーをつくって語り聞かせ、その結果、自分の心にある「個人的な意味」と向き合う機会を失いかけてはいないでしょうか。(p.128) その時、気付いたのです。震災を語りたい人はたくさんいるけれども、その場がないのだと。学校が場を開放すれば、たくさんの方が、自分の体験を語ってくれるのだと。 この時、「つなぎ手」という確固としたイメージを持って、メモリアル行事を運営したわけではありません。結果的に、学校が「つなぎ手」となったのです。 学校が「つなぎ手」となる発想は、一方で地域資源の活用を促進し、もう一方で教職員の負担を軽減します。「開かれた学校づくり」にもつながります。子どもたちにとっては、いつもの先生とは違う人からの授業という非日常が、防災学習をより楽しく、より意味のあるものにするはずです。(p.191)
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