日本の若者はなぜ希望を持てないのか の商品レビュー

鈴木賢志(著者)

2016/09/06

アンケート結果で最も驚いたのは、社会で成功する要因である。日本では、個人の努力、個人の才能、運やチャンス、家柄・親の地位、学歴の順で重要となっている。学歴社会と言われているが、若者は意外にそう思っていないらしい。個人の努力・才能が非常に高いので、上手く行かないのは自分のせいになり、自分を責めることになる。これでは自殺したくなるはずである。
親の収入が、この進学率や学校での成績と大きな相関関係がある事は、随分前から一般的な認識になっていると思っているが、若者は知らないのであろう。就職の時期の景気の状況が、その後の収入の過多に大きな影響があることも知らないのであろう。必ずしも上手く行かないのは自分のせいでない事を、もっと教えるべきである。

2016/08/16

http://www.soshisha.com/book_wadai/books/2167.html

2016/01/24

なぜ日本の若者が未来に希望を持てないのかを、統計により分析しているが、結果は一般に認識されている状況を追認補強するもので、目新しさはほとんどない。
しかし、漫然とそうだろうなと思われているいまの若者の状況が統計的にも示されるということは、かなり危険な状況であるということだ。
若者には内向きにならず、外に目を向けてほしいし、我々はそうできる社会システムの構築を急がねばならない。

2016/01/06

今のゆとり世代は18〜27歳ぐらいであろうか？その世代でも世界に通用する錦織圭や羽生結弦、大谷翔平がいる。
「希望が持てない」は平均の声であり、むしる頑張っていない人の声が大きく、それを言い訳にしているように感じるのは自身が年寄りの証拠かもしれない。
いずれにせよ、格差の時代、ライバルが少ないとプラス思考に捉えることが必要だが、ぬるい時代の若者には犯罪、交通違反など犯罪には重労働、自衛隊入隊などのペナルティもあったほうが良いと思われる。

2015/12/21

日本の若者はなぜ希望を持てないのか　鈴木賢志著

2015/12/20付日本経済新聞　朝刊

　2013年に日本と米国、ドイツ、韓国など計７カ国の若者（13～29歳）を対象に内閣府が実施した世論調査「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」の内容について、「希望」をキーワードに詳細に分析した。多様な質問への回答から、日本の若者の「たこつぼ化」とも表現しうる内向き志向の一端が見えてくる。様々な研究や分析の基礎的な資料としても重宝な一冊だ。（草思社・1500円）