魔法使いの弟子 の商品レビュー
まず、はじめに、何よりも哲学的な一冊でした。宇宙と恋愛が接続し、かつ、それは禍々しく神々しい怪物のさまである。バタイユによる恋愛論。一筋縄でいかない繊細で同時に暴力的な手触りが、やはり、ありますね。男女が出会い、ほとんど原始的宇宙を露出する様にして、生の、いや宇宙の歯車を回転させ...
まず、はじめに、何よりも哲学的な一冊でした。宇宙と恋愛が接続し、かつ、それは禍々しく神々しい怪物のさまである。バタイユによる恋愛論。一筋縄でいかない繊細で同時に暴力的な手触りが、やはり、ありますね。男女が出会い、ほとんど原始的宇宙を露出する様にして、生の、いや宇宙の歯車を回転させる。地上の神話として賦活されるアダムとイブは、実は今、本を紐解いている凡庸な読書子なのである、という、この驚くべき核心のやいばを突きつけてくるのですよね。凄いな。何よりも哲学的ですよね。
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恋愛、人の世、絶望そういった感覚が交差するバタイユの恋人論。真に肯定的な人間関係を問い直す時の視座として貴重。とても有意義なテキストだと思う。コンパクトだし。バタイユのリハビリ、入門にもいいと思う。
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読後、自身を省みて、私もまた政治家であり、芸術家であり、学者であることを思い、わすかばかりの機能を果たすために日々を汲々とし、実存を奪われているなと思い当たる。 「恋愛」を諦めずに生きたい。
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『眼球譚』のバタイユが1938年に発表した恋愛論。 この論文が書かれた背景については巻末の解説に詳しいのだが、恋愛論というよりごく真っ当な人生論であるように思える。真摯な文章にも圧倒された。
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はじめてのバタイユ、おまけに時代背景にも暗いわたし。 そんななかでも、喚きたてるような自分に言い聞かせるような訴えかけるようなこの文章の熱と、望みと、諦めのようなものを覗き見したような気がしたりしなかったり。
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