北欧の挿絵とおとぎ話の世界 の商品レビュー
表紙はカイ・ニールセン「12人の踊る姫君」 12人の姫君が森を抜けて踊りにでかける。ニールセンの好きな垂直の構図である、とある。ずっとずっと昔、ニールセンの絵にひかれて画集を買ったことがあるのだ。 ・カイ・ニールセン 1886-1958 デンマーク、コペンハーゲン生まれ。19...
表紙はカイ・ニールセン「12人の踊る姫君」 12人の姫君が森を抜けて踊りにでかける。ニールセンの好きな垂直の構図である、とある。ずっとずっと昔、ニールセンの絵にひかれて画集を買ったことがあるのだ。 ・カイ・ニールセン 1886-1958 デンマーク、コペンハーゲン生まれ。1904年、パリに出て絵を学ぶ。芝居のシーンをスケッチするのが得意だったから、挿絵に興味を持った。ビアズリーに強い影響を受ける。20世紀にはいると絵本の黄金時代となり、ラッカム、デュラックに続いて絵本画家をめざす。1912イギリスに向かう。そして「おしろいとスカート」1913、「太陽の東、月の西」1914で人気を集めた。第一次世界大戦の後には「ハンス・アンデルセンの妖精物語」1924、「ヘンゼルとグレーテルとその他のお話」1925を出した。 解説は海野弘氏。ノルウェー、アイスランド、デンマークはイギリス、フランスの影響が強く、スウェーデン、フィンランドはロシアなどのスラブ圏の影響が強いとある。またゲルマン・北ドイツともかかわりが深く、「北欧」は北ドイツを含むこともあり、「北欧神話」と「ゲルマン神話」はほとんど重なっている。 また、ワーグナーがオペラ「ニーベルンゲンの指輪」を作った時、ドイツの伝説だけでなく北欧の伝説を取り入れて物語を構成した。それを一つのきっかけとして「北欧神話」は「ゲルマン神話」に統一され、乗っ取られてしまった。「北欧神話」がそのゲルマン化から解放され、北欧諸国ののびのびとした想像力のうちに開放されるのは、第二次世界大戦以後のこと。 また歴史と文学事項、とりあげた作家の生没年棒グラフがいっしょになった表があり、これがわかりやすい。 とりあげた挿絵画家は、 :カール・ラーション1853-1919(Sw) :テオドール・セヴェリン・キッテルセン1857-1914(No) :エルサ・ベスコフ1874-1953(Sw) :ヨン・バウエル1882-1918(Sw) :カイ・ニールセン1886-1958(De) :ルドルフ・コイヴ1890-1946(Fi)(両親はフィンランド人だが、ロシアペテルブルグ生フィンランド育ち) :グスタフ・テングレン1896-1970(Sw) :トーベ・ヤンソン1914-2001(フィンランド人の父、スウェーデン人の母のもと、ストクホルムでデザインを、フィンランドで絵を学ぶ。フィンランドでスウェーデン語を話す少数派。) ムーミンの原画は柔らかい色彩で幻想的だ。アニメは線も色もクッキリで原画の雰囲気とは随分ちがっている。 2015.11.25初版第1版 図書館
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見るだけで楽しめる本です。 北欧のおとぎ話といってもアンデルセンの童話ぐらいしか読んだことが無い私ですが、タイトルだけは知っているというものもありました。最後にトーベ・ヤンソンの『ムーミン』が載っています。 ニールセンの挿絵が美しい。 北欧の文化や歴史にも興味が湧きます。
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そのおとぎ話を知っていても知らなくても、その挿絵を初めて目にしたとしても、充分満足できる綺麗な本。 コミカルな格好をした登場人物にクスッてなり、幻想的な風景に圧倒された。
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【目的】「北欧らしい」イラストが見たくて テキスタイルのパターンに用いられがちな大柄でぱきっとした色合いのものを想像していたが、繊細な絵が多くとてもかわいらしい。イラストを見ることのおもしろさを思い出させてくれた。カラーの絵といっしょに、お話がちらっと読めるのもよかった。エルサ...
【目的】「北欧らしい」イラストが見たくて テキスタイルのパターンに用いられがちな大柄でぱきっとした色合いのものを想像していたが、繊細な絵が多くとてもかわいらしい。イラストを見ることのおもしろさを思い出させてくれた。カラーの絵といっしょに、お話がちらっと読めるのもよかった。エルサ・ベスコフの絵がかわいい。
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見応え満点。カイ・ニールセンなどの絵は名前は知らなくても見たことはあるのではないだろうか。こんなにも豊かな挿絵があったことと、歴史的にまだ新しいということに驚く。 神話から始まって、昔語、御伽噺、創作童話のムーミンまで、北欧の絵を軸に辿っていく。絵本好きにはたまらない本だった。
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すべてにコミットした形ではありませんがパラパラと鑑賞。北欧と聞いても思いつくのがトーベくらいだったのですが、見覚えのあるものから新たな発見もあり楽しく、また驚きのある本でした。 時代の変遷やそのときの美術の流れの説明もあり、挿絵というか、作品、芸術と言っても差し支えない美しい...
すべてにコミットした形ではありませんがパラパラと鑑賞。北欧と聞いても思いつくのがトーベくらいだったのですが、見覚えのあるものから新たな発見もあり楽しく、また驚きのある本でした。 時代の変遷やそのときの美術の流れの説明もあり、挿絵というか、作品、芸術と言っても差し支えない美しい絵が多く掲載されています。大型本なので細部まで見れてウットリ。何より同じモチーフでも作家によってアプローチの仕方が異なるのでそれも見比べてみるのも面白かったです。 おとぎ話や児童文学よりの絵もあり、トロルや三人の姫君、マイナーな作品からラプンツェルや赤ずきんなどのメジャー作品もあって大満足です。 特に、浮世絵に色濃い影響を受けたニールセンの挿絵はどれも素敵で、背景の空の色ひとつとっても表情が異なり飽きることはないでしょう。
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スウェーデンの絵本作家、エルサ・ベスコフが大好きで、こんな本があったのか!と図書館に予約。 実に充実した本だった。 北欧各国の歴史なども解説されていて、アール・ヌーボー、ウィリアムモリスの影響や、アーツ&クラフツ運動の影響などについても書かれていた。 絵本作家だけでなく...
スウェーデンの絵本作家、エルサ・ベスコフが大好きで、こんな本があったのか!と図書館に予約。 実に充実した本だった。 北欧各国の歴史なども解説されていて、アール・ヌーボー、ウィリアムモリスの影響や、アーツ&クラフツ運動の影響などについても書かれていた。 絵本作家だけでなく、アンデルセンやリンドグレーンなど北欧の著名な作家についても詳しい。 こんなに多様な美しい絵を描く作家がいたのか…と新しい世界の発見に浮き立った。 2020.9.26
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「アンデルセンもニルスもムーミンもここから生まれた!」 金髪のお姫様、妖精トロール、バイキング・・・ 深い森やみずうみ、フィヨルドなど美しい自然に囲まれた北欧で生まれたおとぎ話と挿絵画家たちを大特集。 本の帯と、表紙の絵に誘われて手に取った本。 北欧のおとぎ話には疎いが、ざ...
「アンデルセンもニルスもムーミンもここから生まれた!」 金髪のお姫様、妖精トロール、バイキング・・・ 深い森やみずうみ、フィヨルドなど美しい自然に囲まれた北欧で生まれたおとぎ話と挿絵画家たちを大特集。 本の帯と、表紙の絵に誘われて手に取った本。 北欧のおとぎ話には疎いが、ざっとあらすじも書かれているので、ステキなポストカードのような絵と共に楽しめた。 大人の絵本みたいな感覚。 すっかり忘れていた、人魚姫のあらすじに、軽くショックを受けた。。悲恋だ。。。悲しい。。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
図書館の本 読了 内容(「BOOK」データベースより) アンデルセンもニルスもムーミンもここから生まれた!金髪のお姫さま、妖精トロール、バイキング…深い森やみずうみ、フィヨルドなど美しい自然に囲まれた北欧で生まれたおとぎ話と挿絵画家たちを大特集。 もうため息もの! きれい!美しい! わかってはいましたが、ヨーロッパの中でもわたしは北欧、東欧物、好きなんだわ、きっと。 イギリスより、アイルランドだし。 長靴下のピッピもニルスの不思議な旅も北欧だものね。 これシリーズであるみたいなのでほかのものもみてみたい! でもかなーり専門書です。 美術学ぶ人にはいいかもね。 あと美術系の人のプレゼントにもいいかも!って思ってみました。
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