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黄禍 の商品レビュー

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2023/01/08
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共産党総書記の暗殺をきっかけにした中国の崩壊と、それが世界に与える影響を描いた政治小説。 三峡ダムで共産党総書記が暗殺され、王鋒を中心とした強硬派の政権が誕生する。政府の発表に疑いを持った沿海部の7つの市と省が独立を宣言、南北にわかれた内戦状態に突入する。そこに、台湾主導の中国統一を目論む台湾軍も介入。さらには各地で独立勢力が乱立する。局面を打開するため、北京政府は台北を核で攻撃する。核台湾軍は報復のためミサイル基地を占拠し、ミサイルを発射。入力ミスによりシベリアに落下する。 中国内での「核の内乱」を重く見た米露は、核兵器の破壊するため、中国各地の軍事基地に核で攻撃を加える。新たな政権に就いた石戈は、壊滅的な打撃を受けた国土では国民を養うことは不可能と判断し、十億人を難民として全世界に計画的に送り出す。負担を減らしたいロシアは、中国に加担してアメリカに輸送する。どんどん増えていく難民の扱いをめぐって、アメリカ国内も二つに分断されていく。問題の解決するには難民を阻止するしかないと判断したアメリカ政府は日本海を封鎖、それに対してロシアはアメリカ艦隊を攻撃。報復としてアメリカは津波を発生させ、極東の港を壊滅させる。 王鋒が秘密裏に建造し海底にひそませていた潜水艦は、米露の緊張が最高潮に高まったこの機会に乗じて、アメリカに向けて四十発の核ミサイルを発射する。これにより、米露で核戦争が勃発、世界は核の冬に見舞われる。そして、荒廃した中国では凄惨な光景が繰り広げられていた。 ときどきの政権の為政者が行う演説や交渉のレトリックがいかにも中国的で、本書が書かれた当時から(というよりも建国から一貫して?)変わらないのだろうなと苦笑してしまう。

Posted byブクログ