殺人犯との対話 の商品レビュー
2022/2/25 色々な殺人事件の被疑者や関係者への取材。 後書きに「殺人者の共通項を探していた」とあったが、わたしも読みながら共通項を探してしまっていたので、人間って分からないものが怖いんだろうなぁと思った。 わたしは洗脳系が特に怖い。
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週刊文春で連載していた、殺人犯を主題にしたノンフィクション。暴露話的なものではなく、犯人本人もしくは関係者との対話から事件の全容を明らかにする内容。
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殺人は、人が人の命を奪おうと意識し、奪う行為だ。 そこでの意識を知ることこそが、まだ起きていない殺人を予防し、自分自身が加害者にも被害者にもならなくて済むことに、繋がるのではないかと考えている。-P.315 --- 日本中を震撼させた10の殺人事件。死刑や無期懲役を言...
殺人は、人が人の命を奪おうと意識し、奪う行為だ。 そこでの意識を知ることこそが、まだ起きていない殺人を予防し、自分自身が加害者にも被害者にもならなくて済むことに、繋がるのではないかと考えている。-P.315 --- 日本中を震撼させた10の殺人事件。死刑や無期懲役を言い渡されて服役中の犯人たちとその近親者、被害者家族らとの対話を通して、事件の真相に迫る渾身のルポ。 冒頭に引用した著者の考えに強く共感する。犯罪者の意識を知ることは、新たな犯罪の抑止力になる。私自身、そう確信するに至る体験を、つい先日した。 この本は、BRUTUS「危険な読書」の、取材力がすごい本という特集で紹介されていて知った。「危険なー」には副題があり、「人生を変えてしまうかもしれない読書」というものだ。そしてこれはえてして本当に危険な雑誌だった。というのも、あるページに詩集の特集があった。そこに引用されていた一遍のショッキングな詩をうっかり読んでしまったがために、私はその後の約三日間、放心状態に陥った。小児虐待をテーマとした詩で、タイトルや作者名を確認するために今そのページを開くことすらできないほど辛い内容だった。可能なら二度と思い出したくない。でもどう頑張っても忘れられない。洗濯物を干したり夕飯の片付けをしたりしている平和な日常のふとした瞬間に、急に脳裏に蘇ってきては私を窒息させようとするあの詩を、きっと私は一生忘れることができない。深く考えず雑誌のページをめくって、視界に飛び込んでくるがままに読んでしまったあのときの勢いを、ずっと後悔し続ける。 しかしそんな後悔や苦悩と共に、あの詩は私に「絶対に虐待はしない」という強い信念を与えた。生々しくて、絶望的で、息が苦しくなるほど救いのない詩だったけれど、そこに書かれていることは、ここではないどこかでは紛れもない真実だ。まさにその状況で苦しんでいる子どもの姿を、現実味を帯びた映像として想像してしまったとき、虐待は私にとって他人事ではなくなった。思わず目を逸らしたその映像に、恐る恐るもう一度ピントを合わせたとき、「絶対に虐待はしない」という、当たり前のようで実は非常に脆くもある信念が、私の中でより強固なものになった。 虐待について知ること。ショッキングな現実を知って、傷付くこと。そして自分の心にできた傷と向き合い、時間をかけてその衝撃の余波を受け止めること。そうすることが、直接的に被害者を助けることはできなくても、自分が次の加害者になってしまう可能性の大きな抑止力になると感じて、冒頭の著者の意見に強く共感した。
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殺人事件10件を掘り下げるルポ。犯人との対話はほんの一部であり且つさほど深い話をしている(出来ている)わけではない。先日「暴力の解剖学」を読了したせいで感じるのか、真の事件の要因に迫る取材と分析にはなっておらず話題になった事件のまとめで終わっている感がある。
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殺人犯との交流を交えながら、その経緯や感情を追ったルポ。でもやはり、どんな事情があろうとも、どれほど反省しようとも、相容れない事実。
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