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巨人軍の巨人 馬場正平 の商品レビュー

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2020/06/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 かのジャイアント馬場は読売ジャイアンツのピッチャーだったことはプロレスファンなら周知の事実だろう。どんなプロ野球選手だったのか?といえば、二軍ではそれなりに活躍をしたが、一軍では通用せずにひっそりとプロレスに転向をした、くらいにしか知らない人も多い。では実際にはどうだったのだろう?    本書は馬場正平の生い立ちから始まる。小学生の時から体がどんどん成長を来す。周囲の人たちの心無い言葉や態度は悪意の有無に関わらず、馬場少年の内向きに追いやって行く。ずば抜けた身体能力からの野球との出逢いも足に合うスパイクが入手できず一旦は断念するなど、何かを始める前から挫折に追い込まれていく。それでも馬場少年の能力を見出した周囲の人の奔走もあり、野球部に入部、甲子園出場こそかなわなかったが、読売ジャイアンツから声がかかり、入団する。入団後も二軍では活躍を見せ、身体の大きさも相まって二軍の遠征では欠かせない存在になっていた。そんな中、視力障害が出現。幼少期からの身体の成長も、下垂体腺腫の症状と判明したため、手術となる。当時は生死を分ける大手術。幸運にも後遺症なく退院した馬場は活躍を続けるが肩と肘に故障が発生、自由契約となる。大洋ホエールズと契約を果たすが、寮での大怪我のため、選手生命を棒に振り野球界を去る。その後のプロレスでの活躍は言うまでもない。  体の大きさ故に常に好奇な目にさらされてきた馬場正平。彼がプロ野球、プロレスと自分の道を見つけることが出来たのは、当時の下垂体腺腫切除術を乗り越えた強運もさることながら、中学時代のモルモン教との出逢いではないだろうか?教義を熱心に学ぶことで、自らの中に神を見出す。そして周囲への感謝の念を抱くことができたのではなかろうか?そしてモルモン教はアメリカ起源で指導者は日系アメリカ人。アメリカには体のおおきい人はたくさんいる。彼は日本では巨大だが、アメリカではそこまで大きいわけでもない。信徒の方々が彼の大きさを好奇のまなざしで見ることなく受け入れたのも日米の違いもあるのではなかろうか?  成功とは言い難い馬場選手の野球人生。王長嶋など、彼より才能豊かな選手たちを目の当たりにしたためか、あきらめがついていたようだ。本書の最後に、プロ野球引退直後の馬場正平のインタビュー記事が載っている。アップの顔写真が載っているが、とても晴れやかな笑顔だ。日本プロレスに入門前の記事だとは思うが、その後の大成功を予感させるような表情だ。  こんな笑顔を自然に出せる人間になりたいな。

Posted byブクログ

2018/02/15

馬場正平がジャイアント馬場へと進化するための貴重な「助走期間」に初めて触れる事が出来た。当時の写真がまた何ともいい。晩年の馬場さんのあの優しい笑顔。当時から変わらぬあの笑顔にほっこりした。

Posted byブクログ

2017/06/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 ジャイアント馬場がまだ馬場正平で、野球をやっていてジャイアンツに入団して退団するまで、少年が青年になるまでのお話だった。巨人症と脳手術、モルモン教についてたっぷり割かれていた。新潟のエピソードも多かった。オレも高校だったか予備校の時にモルモン教の宣教師にいろいろ話を聞いて親に心配されていたことを思い出した。確かに強く勧誘されなかった。その時、宗教と保証人はダメだときつく言われた。  もしボールをスナップを効かせて速い球を投げることができていたら野球選手として成功していたのだろうか。ずっと2軍選手だったが、きっと前と上を見て楽しかっただろうなあと思いを馳せずにいられない。  お風呂で転んでガラスを割って大怪我したエピソードは『プロレス・スーパースター列伝』で読んだけどジャイアンツ選手時代として描かれていたような気がする。

Posted byブクログ

2016/01/19

153頁:終戦直後は就職難であり,大卒でプロに行く選手は多かったが,復興景気が本格化すると大卒での入団は,ひとりかふたりだけになった。しかも多くは中退者だった。 ・大学中退者は,「大卒」の範疇に入らないと思うが。

Posted byブクログ

2016/01/17

この手の本は本当に取材力が凄い。 プロレスの馬場さんもそんなに知ってるわけじゃないけど、巨人症という病気を患いながらもネアカな性格。野球をやって一年で巨人に入団し、22歳で引退からプロレスで大スターというのは昭和っぽくていいなー

Posted byブクログ