アンペア(2) の商品レビュー
今現在、私が友情を路線とした作品では、週刊少年サンデーの中で最も面白いな、と感じている作品、それがこの『アンペア』だ ここで言うのも、何と言うのか、卑怯な気もするが、ちょっと前まで、週刊少年サンデーって感想を書きたいって思えるほどの漫画が少なくて困ってたんですけど、『アンペア』が...
今現在、私が友情を路線とした作品では、週刊少年サンデーの中で最も面白いな、と感じている作品、それがこの『アンペア』だ ここで言うのも、何と言うのか、卑怯な気もするが、ちょっと前まで、週刊少年サンデーって感想を書きたいって思えるほどの漫画が少なくて困ってたんですけど、『アンペア』が連載を開始してから、毎週の期待が戻ってきた気がする ただ、ここ最近、『アンペア』の掲載順が下がっているどころか、ほぼ後ろで不安になってきた。もう完全に中盤に戻れる可能性が少なく、却ってイイ感じのクライマックスも近づいているので、急いで、ここへ感想を書かせてもらう事にした次第だ 内容は、先にも述べたが、友情モノ。男の子と女の子の性別の壁を超えた友情で、他作品のようにラブコメ展開を希望するってコトにはならない。もっとも、くっついたらくっついたで歓迎はする節操のない私 だがしかし、普通の友情モノでは、私も面白い、とは感じない 面白い理由、それはヒロイン(?)の橘美月が人造人間ってコトだ 電波系じゃなく、ガチの人造人間。電撃を放ち、電気の力で肉体を極限まで強化する能力を持っている そんな彼女が、一人のぼっち少年・櫃内優太と、様々なトラブルを乗り越えて友情を育んでいく、友情系としては正道な少年漫画、それが『アンペア』だ 他の人造人間とのバトル、それも当然、見所だが、やはり、一番はただの人間でしかない優太の体の張り方、熱血ぷりだ ツッコミスキルが、ある意味、人造人間ばりに高いだけの少年かと思いきや、これや以外、友情に篤い。危ない、と頭で分かっていても、友達の為なら、平気で無茶が出来てしまう。自分を死なせたくないから未来を捨ててでも現在を楽しもうとする、友達の美月を守り、後ろや下ではなく前を向かせ、生きたいって思わせるために、普通なら死んでも不思議じゃない敵の攻撃を受け止めるって、どんだけだ。数本、頭の螺子が飛んでいるとしか思えないほどだ。けど、そのブッとびぷりがあるからこそ、美月だけでなく、読み手も彼の友情ゆえの行動に感銘を受けるし、本気の言葉に心を揺さぶられる どことなく、『銀魂』の坂田銀時に近いモノを、優太の中に感じるからこそ、私は彼に好感を抱けるんだろうな 美月の個性も素っ飛んでいるが、他の人造人間らも、普通じゃないわな、と感じさせるだけのものがある 特に、並沢高校の生徒会長でもあり、人間氷結兵器である富樫冷似は強烈だ。戦闘力、それもあるが、自慢の髪形を貶されるとプッツンしちゃうトコなんか、アニメ化が決定した、世界的にも名作たるシリーズの第四部の主人公を思わせる部分で、読んでいて笑えてしまう。しかも、真顔で、ボケなのかマヂなのか判断できない言動をするのだから侮れない 語彙力が乏しい進堂七詰も、おバカわいいな、うん 1、2巻ともに、これまた、読み手が次回が気になってしょうがないトコまで収録されており、上手さを感じる きっと、原作を担当している堀先生も、作画の山仲先生も、優太に負けないくらい好い奴を友人に持っているんだろう。そんな二人が協力しているからこそ、この『アンペア』はこんなにも面白い。その良さが今イチ、他の週サン読者に伝わりきっておらず、終わりが近づいてしまっている事実に、ファンとして感想を書くのが遅すぎたか、と後悔と申し訳なさを覚えているくらいだ どの回も、優太と美月の友情にグッと来るものばかりだが、元から強かった『アンペア』への愛が強まったのは、先にも軽く触れたが、優太が体を張って、美月を奮い立たせる(2)の第13話「生きろよ」だ。これぞ、男だ、と思わせる凄味がある。バトル回で一番は、やはり、(2)の第11話「女性の扱い」だ。ラストのコレ、本気で言ってるんだろうなァ 少年漫画らしく、読み手の胸に強く刻まれ、座右の銘の候補にしたくなるモノばかりで迷ったが、この台詞を引用に選んだのは、単純に最もグッと来たからだ。私は今この時を、何十年楽しく生きていくために、全力を出せているだろうか
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