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ミッキー吉野の人生の友だち の商品レビュー

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2015/10/14
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※このレビューにはネタバレを含みます

 人生を”たび”と読ませるルビが良い。氏の半生が「seeking soul~魂を求める」旅だったところが良い。  1951年に生を受けた氏は日本のロック黎明期から現在に至るまでの日本音楽界の生き字引だ。昭和のノスタルジックと共に音楽界の裏表が生き生きと語られる。いつも思うが氏の記憶の良さには驚かされる。  俄然、読むスピードが上がるのが後半、第4章「ゴダイゴ前夜」、第5章「ゴダイゴ」あたりから。一時いろいろ文献を漁ってそうとう情報を集めたから知ってる話も多いのだけど、その時本人はどう思っていたかという心情の吐露は貴重で興味深い。  第6章の「ロストビジョン」からは、好きだったバンドが消えた喪失感を味わった自分の想いとも相まってしんみりしてしまうが、その名の通り復活を遂げてくれた今は、これからの旅路が楽しみでしかたがない。文中「ゴダイゴは2016年デビュー40周年を迎えます。旅はまだ終わっていません」という言葉に明るい未来を見る。”その顔を上げて”とあのメロディが脳内で流れ出す気分。  「赤い狩人」「白い彷徨」「Thank You, Baby」「Sights and Sounds」「Longway from Home」GODIEGO関連の曲で好きなものは、たいてい”旅”がテーマだったりする。ヒット曲の「ガンダーラ」も「999」だってテーマは”旅”だ。ヒトは何かを求めて彷徨らわずにはいられない。旅をテーマとした曲には古来からその遺伝子に組み込まれた本能に自然と響いてくるものがある。  氏は自らに課した約束として、これからも音楽を伴侶として旅を続けていくだろう。旅する楽団から流れ出す愉快な楽曲を耳にしながら、自分もまた次なる旅を続けていきたいと思う。  言葉遊びの好きな氏。冒頭から「ART→BUSINESS→CASH」のABC理論だの、物事の基準には順序が大切、1st,2nd,3rdの間にaを挿れるとSTaNDaRDだと、ダジャレ含みの言葉遊びが飛び出す。  2012年のとある日、ランニングの累積走行距離が7年間で2万㎞を超えた。7年で2万㎞ならあと7年、14年で4万キロ、地球一周かぁ…と思ったとき、「14年という月日は、かの玄奘三蔵法師が天竺を目指して旅した5040日に相当する」という氏の言葉を思い出し、三蔵法師のPilgrimageと同じ歳月をかけて自分は地球1周できそうですと話したら、氏から「十四の心を、行する=「徳」、徳を積むと言う事ですかね!」と、これまた謎めいた言葉を頂戴したもの。  氏にはいつの日か「Mackie's Findings(ミッキー理論)」を集めた名言集(迷言集?)も出してほしい(笑) (そうだ!十四の心の行を再開しなきゃ! 読書をしても走ることを思い出される今日この頃・汗)

Posted byブクログ