誰が「橋下徹」を作ったか 大阪都構想とメディアの迷走 の商品レビュー
橋下徹が大阪市長を痔してから8年、その間維新の会は大阪を中心に着実に党勢を拡大してきた。どうしてそうなるのかと、他県に住む自分などは不思議に思ってきたのだが、主としてテレビというメディアによって拡大・拡散されたポピュリズムの後押しが、その大きな理由の一つであったということを知った...
橋下徹が大阪市長を痔してから8年、その間維新の会は大阪を中心に着実に党勢を拡大してきた。どうしてそうなるのかと、他県に住む自分などは不思議に思ってきたのだが、主としてテレビというメディアによって拡大・拡散されたポピュリズムの後押しが、その大きな理由の一つであったということを知った。 はからずも、今般は梅村某なる維新議員の国会での暴言が問題になっているが、そのベースになっているものが奈辺にあるのかということも、この本を読んでよくわかった。
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日本人を、そして庶民をよく表している。 政治もニュースも面白おかしく消費して、すぐ忘れ去っていく。 現在の権力者は庶民にものを考えさせたくない、政治に興味を持ってほしくない、とすると、今後も橋下的なものは繰り返される、と感じた。 出来ることは、それを少しでも遅くしたり、弱めた...
日本人を、そして庶民をよく表している。 政治もニュースも面白おかしく消費して、すぐ忘れ去っていく。 現在の権力者は庶民にものを考えさせたくない、政治に興味を持ってほしくない、とすると、今後も橋下的なものは繰り返される、と感じた。 出来ることは、それを少しでも遅くしたり、弱めたりする程度だけ。 それもものすごく価値があることだが。
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読もう読もうと思いつつ、5年経った。 橋下徹も維新の会も都構想も遠い昔の話になって欲しいのに、なかなかならない。 権力者とメディアの関係も全く変化なし、というより悪化している。 それを許しているのは国民だ。 あまりにもひどい菅首相のせいで、国民が怒り、メディアを動かすことができた...
読もう読もうと思いつつ、5年経った。 橋下徹も維新の会も都構想も遠い昔の話になって欲しいのに、なかなかならない。 権力者とメディアの関係も全く変化なし、というより悪化している。 それを許しているのは国民だ。 あまりにもひどい菅首相のせいで、国民が怒り、メディアを動かすことができたなら、と希望を持つことしかできない。
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ある意味すごい人だというのはわかった。テレビ、新聞の記者達もみんなビビっている。一対一の討論ではまず負けてしまうし、記者個人が吊るし上げにあう。マスコミ、メディアの裏を熟知しており、最大限に利用する。ただし長年持つわけではないことも本人がよく知っていたのだろう。
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橋下徹を「つくった」メディアの共犯関係を丹念に描いた労作。元神戸新聞記者で、高みから批判するだけではなく、自分も会見に足を運んで、うまく追及できなかったことなども率直に自省しているのは好感が持てる。 「議論しても不毛。しゃべるだけしゃべらせて記事で矛盾を突いていく方が効果的に批判...
橋下徹を「つくった」メディアの共犯関係を丹念に描いた労作。元神戸新聞記者で、高みから批判するだけではなく、自分も会見に足を運んで、うまく追及できなかったことなども率直に自省しているのは好感が持てる。 「議論しても不毛。しゃべるだけしゃべらせて記事で矛盾を突いていく方が効果的に批判できる」と語る現場の記者。橋下が自分たちの記事を「誤報」と言っても議論しない。著者は分析する。「こうしてみると、橋下は繰り返し同じ手法と論理でマスメディア批判を展開してきたことが分かる。マスメディアの舞台裏を暴露して、「言った、言わない」の水掛け論に持ち込み、最後は見解の相違で打ち切る。そして取材や出演を拒否したり、後々までそれを持ち出したりして攻撃を続ける。現場の記者は会社と橋下の間で板挟みになって困惑し、これを見ている周囲の記者やメディアは踏み込んだ批判をしにくくなる。面倒を避けたいと、橋下の機嫌を損ねないようにと忖度するようになる」。忖度の螺旋が生まれないように現場の記者はどうあるべきか。難しい問いだ。
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橋下氏に対して「何か胡散臭い」と思っている人は多いだろう。しかし「変革」「改革」を語る者に庶民は弱い。「ふわっとした民意」とはよく言ったものだが、要は何か面白そうな、期間限定商品などに弱い人たちが彼を支持しているのだと思う。マスコミの内側にいる著者が、反省も込めて発する警告。丸め...
橋下氏に対して「何か胡散臭い」と思っている人は多いだろう。しかし「変革」「改革」を語る者に庶民は弱い。「ふわっとした民意」とはよく言ったものだが、要は何か面白そうな、期間限定商品などに弱い人たちが彼を支持しているのだと思う。マスコミの内側にいる著者が、反省も込めて発する警告。丸め込まれたことを恥じつつ明かす詭弁・多弁のレトリック。この一冊で大阪を翻弄したトリックスターの人となりは良く分かる。
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強権と弁舌を振りかざし、メディアを思うまま操る“テレビ政治家”は、どのようにして生まれてきたのか。大阪を覆い尽くす異様な空気の正体を、橋下府政・市政8年間のメディア状況から検証する。 大人げない人に見える。 私は苦手だ。 執拗な人。 怖い,怖い。
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大阪では維新の会が人気があるが、なぜこんなにも人気があるのか大阪在住だが解らなかった。やっと、この本を読んでその人気の秘密が解ったような気がした。
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橋本徹とは「テレビの申し子」であり、テレビやマスコミをうまく利用したことによって名をあげた政治家だといえる。 しかし、いかにして彼が自身の政治家としての地位を築いたのか、その詳細は知らなかった。 元記者の著者が、マスコミという伝える側の視点からその詳細を綴り、分析している。 まず...
橋本徹とは「テレビの申し子」であり、テレビやマスコミをうまく利用したことによって名をあげた政治家だといえる。 しかし、いかにして彼が自身の政治家としての地位を築いたのか、その詳細は知らなかった。 元記者の著者が、マスコミという伝える側の視点からその詳細を綴り、分析している。 まず、舞台が東京ではなく大阪という一地方というのがポイントである。 大阪の新聞やテレビには政治部がなく、政治・行政ネタは、社会部が担う。そのため庶民寄りの反権威・反権力になりがちである。だから、反権力を声高に主張していた橋本氏に寄った報道になったとも言えるようだ。 地方に、政治部がなかったというのは驚きだ。 機能的な部分で首都である東京と大きな違いがあるなと感じた。 また、橋本氏は気に入らない発言などがあると、その発言者を徹底的に追及し、時に罵倒し公開処刑さえ厭わない。 その様にして、敵対する人々に脅威を抱かせる。 それは、読者である私でさえ、嫌悪する言い方、論法であり、はっきり言ってハチャメチャなことを言っていたりする。そして、時には小学生レベルの政治家とは思えないような、逆切れやイチャモンも飛び出す。 結論的には、橋本氏を増長させたのはマスコミの伝え方と、氏に対し迎合したことが大きかったように思う。 そして、マスコミだけでなく市民の側もなんとなくの雰囲気に弱い。都構想の中身も検討しないまま、何かやってくれそうというだけで支持しがちだ。これはとても危険なことだと思う。ましてやマスコミを味方につければ鬼に金棒だろう。 本書は、橋本氏の一連の政治活動や発言を通して、マスコミの問題点を炙り出している。
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「思い通りの目が出るまでサイコロを振り続ける」自分の立場を使い分け、詭弁で切り抜け、多弁で煙に巻く「言論術」。 「中立公正」に縛られたマスメディアは目の前の声の大きい権力者を恐れ忖度し反対する意見をほとんど取り上げてこなかった。 『誰が橋下徹をつくったか』サブタイトルに「大阪都市...
「思い通りの目が出るまでサイコロを振り続ける」自分の立場を使い分け、詭弁で切り抜け、多弁で煙に巻く「言論術」。 「中立公正」に縛られたマスメディアは目の前の声の大きい権力者を恐れ忖度し反対する意見をほとんど取り上げてこなかった。 『誰が橋下徹をつくったか』サブタイトルに「大阪都市構想とメディアの迷走」とある通り、メディアの責任は大きい。 ただ、それを黙認していた私達、視聴者に責任はないのか? 「世界の歴史にはかしこくない人々が勇気を持ち、かしこい人が臆病だった時代がいくらもあった。」「平和を乱すことがなされたら、それをしたものだけでなく止めなかったものにも責任はある」どちらもケストナー『飛ぶ教室』の中の一節だ。勇気を持ち声を上げ続けよう。
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