ひとり暮らしのOLを描きました(1) の商品レビュー
独身会社員の哀愁を描くと男性は「タンマ君」になり女性は「OLちゃん」になる、は持ち上げ過ぎかも知れませんが、それくらい「独りであること」の涙に溢れた漫画です。 ただしOLちゃんには大先輩と異なり、理不尽ながらどこか憎めない上司も、類友な同僚も、そして下ネタも描かれません。小さな賃...
独身会社員の哀愁を描くと男性は「タンマ君」になり女性は「OLちゃん」になる、は持ち上げ過ぎかも知れませんが、それくらい「独りであること」の涙に溢れた漫画です。 ただしOLちゃんには大先輩と異なり、理不尽ながらどこか憎めない上司も、類友な同僚も、そして下ネタも描かれません。小さな賃貸の自室の中でも外でもたった独りで心を閉じ込め、小さな不幸せとつかの間の幸せとの積み重ねの中で生きています。 この子、こんなことで心も身体も大丈夫かしら?と母親のような気持ちではらはらしながらつい見守ってしまいます。しかし物語には、彼女をひっそりと見守り支える存在が登場していました。「かえるのピクルス」を彷彿とさせるぬいぐるみのカエルさんです。 カエルさん、見た目はぬいぐるみなので、言葉を発することも大きなアクションをすることもありませんが、コマの合間合間に密かに小さく動いて、さり気なくOLちゃんをフォローしています。実は彼(あるいは彼女)には魂が宿っているに違いない、と読者としては信じています。 なお、初出がTwitterやWebサイトでの連載なので、「何だ、Webのまとめか」と判断される向きもあるかも知れませんが、描き下ろしで「30ページ超」(単行本帯より)の追加があり、Web掲載作には二段オチの一コマが描き足されていました。Web版の読者にももう一度楽しめる内容になっていて、お得な内容だと思います。
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