中江兆民評伝(下) の商品レビュー
中江兆民は福澤諭吉と並び称されるが、福澤は慶応大学を残したのに比較すると仏学塾が短期間で終わってしまったのがなんとも惜しまれる。長く続く組織を作った者は長く称賛される。
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下巻では、帝国議会前後の兆民の活動と、小樽にわたって実業家に転身するなど、評価の一定しない晩年がとりあげられています。 著者は、兆民の思想と活動についていくつかの問題が指摘されていることを参照しつつも、「主権は譲ることはできないという人民主権原理に、兆民は一貫して忠実であったの...
下巻では、帝国議会前後の兆民の活動と、小樽にわたって実業家に転身するなど、評価の一定しない晩年がとりあげられています。 著者は、兆民の思想と活動についていくつかの問題が指摘されていることを参照しつつも、「主権は譲ることはできないという人民主権原理に、兆民は一貫して忠実であったのである」と述べて、その思想の根幹に揺るがないものが存在していたはずだと論じています。 下巻では、上巻であつかわれた時期以上に、兆民の著述活動が活発になり、また彼に対する批評も多く存在していることもあって、それらの文章を引用しながら兆民が後半生に歩んだ道を明らかにしています。また、明治時代の日本が直面していた、西洋文明に対してどのように立ち向かうかということと、近代国家をどのように形成していくのかという、二つの問題に対する兆民の思想的立場について、著者自身の考えが提出されています。
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やっとのことで読破。 日本のルソーと言われ、仏語に長けているのに、漢文もまた相当なもの。ですから、兆民の文を直接読むのは相当難しい。 それでも、兆民の人生、思想がこれ一冊で。
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