絶望の国の幸福な若者たち の商品レビュー
『絶対に挫折しない日本史』で古市さんのこの本が気になったので。 若者の思考について終始共感しました。 最終章に言いたいことが詰め込まれていて、伝えたい熱意を感じる文章。引き込まれました。 全部読むとタイトルの皮肉にちょっと笑ってしまう。
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大きな流れで見ると、昭和から平成、令和と時代が変わっていくなかで経済成長の時代はすでに終わりを告げ、経済成長の時代を生きたおじさん世代の若者批判の論調はなんの説得力もない。 そして「昔は良かった」「最近の若者は...」という議論がいかに意味のないものかがよくわかる。 それを踏ま...
大きな流れで見ると、昭和から平成、令和と時代が変わっていくなかで経済成長の時代はすでに終わりを告げ、経済成長の時代を生きたおじさん世代の若者批判の論調はなんの説得力もない。 そして「昔は良かった」「最近の若者は...」という議論がいかに意味のないものかがよくわかる。 それを踏まえた上で若者論とは社会問題のネガみたいなものという。 最も印象に残ったのは、日本という国は民主主義という制度の構築に失敗したのかもしれないという点(P352)。「明治維新が参考にした西欧諸国は産業革命の真っ只中にあり、これを参考にしたため経済成長が至上命題になった(民主主義よりも)。そしてそれがうまくいってきた。昭和はじめまでは戦争に勝ち、太平洋戦争で敗戦しても様々なラッキーが重なり経済成長できた。それがいま、経済成長が止まった。民主主義を犠牲にしてきた国で、僕たちは今たちすくんでいるように見える」 なるほど。確かに局所的に本当の意味で民主主義を追求する活動はあったが、日本の近代史は済成長・自由主義の流れの中にいたというほうが的を得ているのかも。
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2020年 11冊目 『絶望の国の幸福な若者たち』 なんとなく幸せ(仲間やコミュニティに囲まれ日常を味わい、でも時に非日常を求め、小さな世界で今の幸せを感じられている)で、 なんとなく不安(放射能とか少子高齢化とか生活を支える基盤が崩れ始めてる) な私たち。 歴史の勉強にもなっ...
2020年 11冊目 『絶望の国の幸福な若者たち』 なんとなく幸せ(仲間やコミュニティに囲まれ日常を味わい、でも時に非日常を求め、小さな世界で今の幸せを感じられている)で、 なんとなく不安(放射能とか少子高齢化とか生活を支える基盤が崩れ始めてる) な私たち。 歴史の勉強にもなった。
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新鋭の社会学者(執筆当時26歳!!!)が書いた、現代の若者論的な本。 軽く読めるようになのか元々の文体なのか、ちょっとふざけた現代的な笑いもはさみつつ、ちょっとシニカルな視点で若者について考察して行きます。 勿論書いてある事すべてに納得できた訳ではないけれど、読み物として面白...
新鋭の社会学者(執筆当時26歳!!!)が書いた、現代の若者論的な本。 軽く読めるようになのか元々の文体なのか、ちょっとふざけた現代的な笑いもはさみつつ、ちょっとシニカルな視点で若者について考察して行きます。 勿論書いてある事すべてに納得できた訳ではないけれど、読み物として面白かったし笑える部分もあって楽しめました。 今後の活躍が楽しみな方です。
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・若者は給与水準などの指標で見ると恵まれていないが、自分の事を幸せだと感じているかというアンケート調査では、幸せと感じている人が昔よりも多いというデータが示されていました。 ・一方で将来がより良いものになっているかというアンケートでは、そうは思わないという人が増えていました。 ・...
・若者は給与水準などの指標で見ると恵まれていないが、自分の事を幸せだと感じているかというアンケート調査では、幸せと感じている人が昔よりも多いというデータが示されていました。 ・一方で将来がより良いものになっているかというアンケートでは、そうは思わないという人が増えていました。 ・一部の学者はこれらのデータから、将来に希望を持てない若者は今を幸せだと思うしかないのではないかと推論しています。 ・私と同世代の人が書いた本というのもあって、共感できる所が多くありました。 ・著者は若者が仲間達との共同体の中で幸せを感じている。若者同士は境遇が似ているから貧困でも幸せを感じることができると推察しています。 ・この点にはやや疑問があります。同じ仲間同士でも境遇には差があることが多いこと、趣味などを通じた仲間が同年代ではない事もあることから、昔より世代間格差を感じやすいと思うためです。 ・今、日本人には幸せになるための新しい物語が必要なんだと思います。戦国大名なら天下統一を目指せばよかったし、明治政府は西欧諸国を追いかければよかったし、高度成長期には一戸建てと家電製品を求めればよかった。今は価値観が多様化して、こうすれば幸せになるという物語が描けていません。 ・かつては、マスメディアが国民に幸せな物語を伝える役目だったんじゃないでしょうか。今、マスメディアが元気がないのは、その役目が果たせていないからかもしれません。 ・1章、2章、6章のみ読んだ。 きっかけ:セクシー書店員がおすすめしていたため 読了日:2020/11/27
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ずっと気になっていた古市さんの本。やっと読めました。 若者論の歴史から入って、現代(執筆は2011年)の若者の状況を統計やインタビューから淡々と描き出していく。いいなぁ、この対象からの距離感が社会学なんだよな、と何やら嬉しくなる。 少子高齢化、財政赤字に加え、近年は国際的なビジネ...
ずっと気になっていた古市さんの本。やっと読めました。 若者論の歴史から入って、現代(執筆は2011年)の若者の状況を統計やインタビューから淡々と描き出していく。いいなぁ、この対象からの距離感が社会学なんだよな、と何やら嬉しくなる。 少子高齢化、財政赤字に加え、近年は国際的なビジネスでの競争でも分が悪い日本。長期的には徐々に沈んでいくことは避けられないかも。でもここまで築き上げた社会インフラはやはり相当なもので、短期的には無理せずとも安全でそこそこ楽しく暮らしていける。まあ、茹でガエル状態といわれればそれまでなんだけど、だからといって個人の力でこの状況を変えることはやはり困難だし。 こんな若者の生活を、ユーモアも交えながら淡々と描き出している。やはりなかなかの作品ですね。
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若者はなんだかんだ言って社会に貢献したいと思ってるけどその機会やきっかけを見つけられなくてもやもやしている というような記述を読んで自分と重なるものを感じた。
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「世界にはきっと誰にさえも気が付かれないような転轍機が無数に張り巡らされていて、僕たちの人生は何気ないきっかけで道が分かれている」 「そこまでお金をかけなくても、そこそこ楽しそうな生活を送れちゃうのが現代の幸福であり不幸でもある」
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脚注まで隅々読もうとすると情報量が多い。そこがこの本を読む読まないの分かれ道になりそう。 古市さんがどうしてここまで取りざたされているのか正直わからなかったのですが、本書を読んでなるほどと納得。エッジの効いた物言いで問題に切り込みつつも、全体の問題がどこにあるかわかりやすく説明し...
脚注まで隅々読もうとすると情報量が多い。そこがこの本を読む読まないの分かれ道になりそう。 古市さんがどうしてここまで取りざたされているのか正直わからなかったのですが、本書を読んでなるほどと納得。エッジの効いた物言いで問題に切り込みつつも、全体の問題がどこにあるかわかりやすく説明してくれる様に、好き嫌い分かれるなーと思いつつ、解毒剤だけど劇薬感ある古市さんの文章は好きです。
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2019.4/27 未来が下がるからという予想をしているからいつも今が頂点になるっていうのが、すごく面白い人間の心理 どうにか自分が助かるための内的システムを抱えながら誰もが生きている その無意識の反応みたいなものにとても面白みを感じる
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