1,800円以上の注文で送料無料

嘘の思想家ルソー の商品レビュー

4

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2016/03/01

ルソーの著作を「嘘」を鍵にして読み解いていく研究。『告白』で記述されたマリオンへの責任転嫁から話が起こされ、『学問芸術論』や『不平等起源論』、『社会契約論』、『エミール』、『新エロイーズ』といった主要著作が検討されていく。知識人の嘘、政治の嘘を告発するルソーであるが、同時に『不平...

ルソーの著作を「嘘」を鍵にして読み解いていく研究。『告白』で記述されたマリオンへの責任転嫁から話が起こされ、『学問芸術論』や『不平等起源論』、『社会契約論』、『エミール』、『新エロイーズ』といった主要著作が検討されていく。知識人の嘘、政治の嘘を告発するルソーであるが、同時に『不平等起源論』で描かれる政治社会の設立の経緯、立法者の権威には、嘘と隣合わせの側面があるのではないか、このような洞察が主軸となっているが、本書では一つの決定的解答を与えることは目指されておらず、ルソーのテキストの多義性をまず浮き彫りにすることが目指されている。

Posted byブクログ