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手記 母さんがどんなに僕を嫌いでも の商品レビュー

3.9

17件のお客様レビュー

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2018/08/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

歌川さんは幼少期にいじめや母親からの虐待をうけ、そのとき受けた傷に、大人になって苦しめられる。しかし、自分自身がそのことにとらわれることによって見ないようにしていたこと、傷のせいにしようとしていた自分がいることに、友人のキミツの言葉で気づく。 「お母さんを恨む歌ちゃんが、本当の歌ちゃんなの?もっとべつの歌ちゃんがいると思うけど。」 そのことばで歌川さんは生きづらさを傷のせいにしようとしてきたから、傷を手放せなかったのだ、きづく。 この本、糸井重里さんも「心を震わせながら読んだ」と絶賛されていました。ぜひ読んでみてください。

Posted byブクログ

2018/04/18

漫画家で人気ブロガーだという著者の手記。元々コミックエッセイだったものを手記にまとめ直したものらしい。 脚本を書いたり小説を書いたり、文筆活動もかなりされているようだ。コミックエッセイの方は全く読んでいないのでよくわからないが、手記にあたって敢えて触れていないこともあるとのこと。...

漫画家で人気ブロガーだという著者の手記。元々コミックエッセイだったものを手記にまとめ直したものらしい。 脚本を書いたり小説を書いたり、文筆活動もかなりされているようだ。コミックエッセイの方は全く読んでいないのでよくわからないが、手記にあたって敢えて触れていないこともあるとのこと。文章を書くことが好きとご本人も仰っている割には、あまりこなれた感じもしない。そのせいなのか、重い経歴であるはずの著者の本当の核心部分は、なんとなくスルーされているような、うまくけむに巻かれたような、もやもやした感じがぬぐえない。手記の対象が若い世代向けだから、とかなんとか言われているのをどこかで見た気もするが。 とにかく、虐待を生き延びてそれなりに自分らしい人生を掴んだ人は皆、やっぱりそのさなかに、自分を受け止めてくれる人に出会っている。人は信じるに足るものだということを学べずに育つと、社会で生きていく力を持つことは難しい。それは逆に、自分をそのまま受け入れてくれる人や場所があれば、どんな苦しい状況であっても、社会で真っ当に生きていくことができるということでもある。いかに生育環境がその後の人格形成に大きな影響を及ぼすかを考えると、この国の子どもを守る法律、制度が不備だらけに思えて仕方がない。

Posted byブクログ

2017/12/27

幼少の頃からの母親からの虐待、唯一自信をかばってくれた血の繋がりのないおばあちゃんとの出会いと別れ、家を飛び出して友達との出会い、仕事での成功、そして母親との再会。 母親もその生い立ちから、精神的に病んでいたんだと後になって明かされるのだが、やっぱりこんな目に遭わされたら許せな...

幼少の頃からの母親からの虐待、唯一自信をかばってくれた血の繋がりのないおばあちゃんとの出会いと別れ、家を飛び出して友達との出会い、仕事での成功、そして母親との再会。 母親もその生い立ちから、精神的に病んでいたんだと後になって明かされるのだが、やっぱりこんな目に遭わされたら許せない気持ちが大きくなってしまう。でも著者は冷静に母親との関係を再び築いていく。「愛情は移ろいやすい」「理解することは見えなくなった愛情を照らし出すサーチライト」という言葉が素敵だなと思いました。それはとても難しいことなんだけれど。 最近も親による虐待では亡くなる子供のニュースをいくつか見たのだが、親と子を離すことも大事なんだろうと思った。お互いのストレスを軽減しないと悲惨なことになってしまう。どちらかが相手の命を奪うことになってしまう。そういう意味でも歌川さんが家を出たことは本当に救いだったと思ったなあ。読んでいる自分も救われたような気分になった。 出版社の都合で(?)著者のセクシャリティのことには本書では触れられていないのだが、その辺も読みたかった。

Posted byブクログ

2016/10/05

図書館にて。 悲惨だな。 子供の頃のあの狭い世界で、母親に暴力を振るわれることの絶望感。 最後までたいじさんは母親のサンドバッグ、搾取される子供だったのではというレビューもあったが、そうだとしてもそれで本人が救われるならいいのではないかとこの本を読んで思った。 読者としてはひどい...

図書館にて。 悲惨だな。 子供の頃のあの狭い世界で、母親に暴力を振るわれることの絶望感。 最後までたいじさんは母親のサンドバッグ、搾取される子供だったのではというレビューもあったが、そうだとしてもそれで本人が救われるならいいのではないかとこの本を読んで思った。 読者としてはひどい母親にはもっと因果応報の出来事があってほしいものだけれど・・・ 同じ母親としても、母親に複雑な感情を持っている子供としても、そう思うが所詮他人が外野から思っているだけのこと、たいじさんの心が今穏やかでいいところに着地したならばそれでいいのだと思う。

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2016/08/12

おそらく著者さんより年上なのに 未だに母親としっくりくない私としては尊敬してしまう。 ただ、『本』としてはどうだろ? 彼の人間としてのコアな部分が描かれないことで 学校の図書室本っぽくっなってんのか きれいではあるけど、読み物としての面白味はあんまりないよね。 やっぱ元ネタ本読も...

おそらく著者さんより年上なのに 未だに母親としっくりくない私としては尊敬してしまう。 ただ、『本』としてはどうだろ? 彼の人間としてのコアな部分が描かれないことで 学校の図書室本っぽくっなってんのか きれいではあるけど、読み物としての面白味はあんまりないよね。 やっぱ元ネタ本読もうかな。

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2016/05/25

親から虐待されている子、されていた子、そして虐待されていない子も、 こういう現実があるということを知って欲しいと思いました。 私が小学生の時、毎日同じ服装の女子や毎朝職員室で担任の先生が持参したおにぎりを食べる男子が同じクラスに居ました。 当時はどうしてなのか分からなかったけど、...

親から虐待されている子、されていた子、そして虐待されていない子も、 こういう現実があるということを知って欲しいと思いました。 私が小学生の時、毎日同じ服装の女子や毎朝職員室で担任の先生が持参したおにぎりを食べる男子が同じクラスに居ました。 当時はどうしてなのか分からなかったけど、虐待されていたのだと思う。 著者と同世代なのですが、確かに当時は虐待されている子は、見て見ぬふりをされていました。

Posted byブクログ

2018/05/04

多重にサバイバーでハードな人生を生き抜いてきた(でも今、陽気で優しく朗らかな気遣いの鬼にしか見えない)著者による自伝コミックエッセイ『母さんがどんなに僕を嫌いでも』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/404728528...

多重にサバイバーでハードな人生を生き抜いてきた(でも今、陽気で優しく朗らかな気遣いの鬼にしか見えない)著者による自伝コミックエッセイ『母さんがどんなに僕を嫌いでも』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4047285285をYAにリライトしたもの。 著者はゲイ。ゲイであることは著者のすべてではないにしろ大切な一部分。 だけどこの本では「子供向けだから」ゲイであることはきれいにスルーしてある。 出版社からゲイだといわないよう要請されて受け入れた理由は、著者自身がブログで説明している。 ⇒http://ameblo.jp/qm080952/entry-12070963340.html あらかじめそれを知ってはいたけれど、釈然としないまま読み始めた。 自分であることを否定されるつらさや、自分として生きる喜びを描く本なのに、自分の一部をなかったかのように描かされるのでは結局伝えたいメッセージを裏切ってしまう。 それでも伝えたいことがあるから、その本質の部分を伝えるために筆をとったのだということが、読むうちに納得できた。 レズビアンが老いを語った『私の目を見て』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4879749427の中に、年をとったから老いについて語ったけれど若い頃に本を書いたとしても、主語が老いじゃないだけで同じ内容を語っただろう、みたいな言葉があったのを思い出した。 自分の中に確固たる指針があるから、どこを切り取っても大事にしたい部分は語れるし、どこでつまづいても同じところに帰る。 とはいえ、著者紹介からすらゲイであること(が明白な著作やブログのタイトル)が削られているのをみると、そこまで「あってはいけないもの」なのかと悲しくなる。 これはLGBT当事者にとっては存在を否定しようとするメッセージだ。 たくさんの人に届けるための「配慮」が、この本を必要とするはずのLGBT当事者をいないように扱うことになるのはつらい。

Posted byブクログ