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よっくんといっしょ の商品レビュー

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2015/11/08

【デザイナーメモ】とにかく主人公の4歳児・よっくんのかわいさを伝えなければならない。しかし「かわいい」商品は当然ながら世の中にあふれているので、「どのように『かわいい』のか」、いいかえればオリジナリティを研ぎ澄ますことが必要となる。 作家さんの人脈を生かしたキャッチーなオビをつ...

【デザイナーメモ】とにかく主人公の4歳児・よっくんのかわいさを伝えなければならない。しかし「かわいい」商品は当然ながら世の中にあふれているので、「どのように『かわいい』のか」、いいかえればオリジナリティを研ぎ澄ますことが必要となる。 作家さんの人脈を生かしたキャッチーなオビをつけることは当初から決まっていたので、オビが密(複雑)・カバーが疎(シンプル)というリズムで考えた。童心をイメージさせるべく、線画を描いてもらってブルーナばりに着彩、という方向性に。出来上がりの色がブルーナに似ていると思う人はあまりいないかもしれないが、自分の中ではまったくブルーナである。ただし本当に幼児に買ってもらうわけではないので、あくまで絵本風なものの「パロディ」である。このあたりから「どのように」の部分のかじ取りが始まる。 構図はいくつか提案し、正面顏でインパクトを出す案に決まった。オビを取ると(あるいはAmazonなどで書影を見ると)わかるが、よっくんが姉のなーなを虐待しているがなーなはむしろ喜んでいる、という小芝居を入れている。よっくんの瞳は連載では白く描いてあるのを、モノクロ特有の表現であって実際には黒いものと考えて当初緑に着彩していたが、作家さんから「実際に白いイメージで描いている」という指摘をいただいて白に改めた。こうした作業も最終的なオリジナリティを実現するために重要だと思う。 カバーはマットPPの高級感、オビはクラフト紙の親密さ、という対比。担当さんに相談したところ、編集長が「マットPPはシュリンクされちゃうから店頭ではあんまり効かないんだけど、まあ近田がやりたいならいいよ」と言ってくださったそうで、すいません。イエローのインキを薄めに使ってマットPPをかけるとネオンのような不思議な質感になるというのは最近別の仕事(『魔法自家発電』)で覚えたことで、さっそく使ってみた。また意図ではなかったが、黄緑の発色が意外なほど良くなったのが面白かった。(カバー、オビを担当)

Posted byブクログ