ペンギンのバタフライ の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
目次 ・さかさまさか ・バオバブの夜 ・ふりだしにすすむ ・ゲイルズバーグ、春 ・神様の誤送信 事前情報全くなしで読んだ本。 とりあえず目次を見て、作者はジャック・フィニイのファンなんだなとだけ理解。 「ふりだしにすすむ」は「ふりだしに戻る」、「ゲイルズバーグ、春」は「ゲイルズバーグの春を愛す」へのオマージュなのか、と。 で、「ペンギン」の「バタフライ」 あの手が短いペンギンが、どうやってバタフライで泳ぐのか?と思ったらさに非ず。 このバタフライは水泳の泳法でも蝶でもなく、バタフライ効果のことだった。 バタフライ効果とは? ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきがテキサスで竜巻を引き起こすという、気象予報の難しさを表現した言葉から来たもの。 「風が吹けば桶屋が儲かる」ように、一見無関係な事柄がじつは影響を及ぼしている、と言うこと。 この5編の小説は、一見バラバラな物語でありながら、誰かの一つの行動が別の誰かの行動に影響を与えながら繋がっている。 “誰だっていずれ死ぬ。最後には敗けるようにできてんだって。だからってな、運命なんてのは嘘だ。諦めるための、体のいい理由だ。” いつかは死ぬとしても、納得のできない運命には全力で逆らう。 それがとなりにいる誰かに、ほんの少しの笑顔と未来を与えることになる。 好きなのは「ゲイルズバーグ、春」 時空を超えて届く想い。 それは後悔したまま前に勧めない友情だったり恋だったり。 後悔と言うぬるま湯にどっぷりつかっているとき、誰かに背中を押してもらわないと前に勧めない。 背中を押してくれた神様は神様で、責任の重さにつぶされそうになって…。 初期の伊坂幸太郎を更に軽くポップにしたような作品。 読後感はとても良い。 なぜ本屋大賞にノミネートされなかったんだろう? こんなに読みやすいのに。
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市立中央図書館より。 -- 中山七里の未読本を漁ってて、つい隣にあつた中山智幸の本を手にとってしまつた。せつかく借りたのに読まないのはもったいないと思うて読んでみた。 変な話だつた(笑)。著者は1975年鹿児島生まれ。 若い人の感覚はよくわからない…。
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どの話も現実ではありえないし、そんな都合のいいことなんてないと思うけれど、こんな事が本当にあってもいいのになと思えるような五つの物語。やっぱりハッピーエンドがいい。
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不思議な現象がそこらにコロコロ転がってて、みんなあっさり受け入れていることに、少し置いてけぼり。 「バオバブの夜」と「ふりだしにすすむ」は単品で、少し不思議な話として良い感じ。 他は前提がひっかかって話に乗り切れず。 連作にするなら、ラストが、バタフライエフェクトの結果で再会...
不思議な現象がそこらにコロコロ転がってて、みんなあっさり受け入れていることに、少し置いてけぼり。 「バオバブの夜」と「ふりだしにすすむ」は単品で、少し不思議な話として良い感じ。 他は前提がひっかかって話に乗り切れず。 連作にするなら、ラストが、バタフライエフェクトの結果で再会出来たともっと強調した話だったらスッキリしたのに。
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時間の不思議をテーマにした短編集。タイムスリップや生まれ変わり、予知能力など、日常ではありえないことが、もしかしたらあるかも?と思わせるような軽やかな感じで描かれていて、どれも読後感のよいお話でした。本のタイトルの意味することにも、なるほど~です。
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時間を行ったり来たりのちょっと不思議な話で、短編だけど繋がってる。 生きてること、必ず死ぬこと、が柔らかく伝わる。
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私にとっての魔法の言葉はなんだろうなー。 イシカバカバ! ばかばかしくない いいなーと思いました。
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時間を超える短編集。それぞれは独立した物語だが、少しずつ絡み合い、緩く繋がるキーワードで、全体としての空気感を整えている。ただ私的には、事前にタイトルから想像していたほどバタフライ・エフェクトもペンギンも表に出て来なかった感がある。 「人は、幸福にも不幸にも準備万端で臨むことは...
時間を超える短編集。それぞれは独立した物語だが、少しずつ絡み合い、緩く繋がるキーワードで、全体としての空気感を整えている。ただ私的には、事前にタイトルから想像していたほどバタフライ・エフェクトもペンギンも表に出て来なかった感がある。 「人は、幸福にも不幸にも準備万端で臨むことはできない」という一文からは、だからこそ、人は結果から遡り、時を飛び越えたくなるのだろうという動機が垣間見える。結局、時を超えようが超えまいが、我々は少しずつ他人と干渉し、未来を創って、あるいは変えて、生きているのだなぁ。
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それぞれ少しずつつながった短編集。時間をいったりきたりで、普通に楽し。 2015.12.4
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