イケアとスウェーデン の商品レビュー
☆イケア・ブランド=スウェーデン・ブランド 風光明媚なスウェーデンのイメージはいつできたか判らないが、おそらく、戦後ではないかなと思う。ヒトラー効果?
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お手本の国スウェーデンと、人気企業イケア。 両社はある意味共犯というか同盟というか、スウェーデンはイケアを国家ブランド向上に使い、イケアはスウェーデンをことさらに強調する(どこで作られているとか、所有しているのがどこの国だとかは、このさい関係ない)。 スウェーデンの福祉モデル...
お手本の国スウェーデンと、人気企業イケア。 両社はある意味共犯というか同盟というか、スウェーデンはイケアを国家ブランド向上に使い、イケアはスウェーデンをことさらに強調する(どこで作られているとか、所有しているのがどこの国だとかは、このさい関係ない)。 スウェーデンの福祉モデルは昔ほど健全ではないようだが、それでもそこに期待する人は多い。イケアの語るストーリーでは、独創的なアイデアをスタッフが思い付き実践してきた、というが、その多くはイケアが最初ではない、という。新しい瓶に古いワインをなんて評されている。 イケアのストーリーには平等なジェンダーもよく出てくるが、一方でそれとは相容れない事情に無節操に追随したとして批判もされている。サウジアラビア版のカタログでは、他のカタログに写っていた女性と少女が消されている。カタログに掲載されていたスタッフのなかから女性デザイナーの名前も削除されている。児童労働やナチスとの関わりなど、いろいろと都合の悪い事もあった。 「社会的責任」という言葉と、高福祉国家スウェーデンのイメージによって、イケアは概ねそういうことを忘れてもらう(あるいは知られない)ことに成功しているだろう。イケアのご機嫌取りの本も多い。「福祉国家イメージの文化史」という、よく考えると辛辣なサブタイトルがついている。イケアが作ってきたものは消費をアイデンティティにすることだが、それを福祉国家イメージでうまく包み込んでいる。まあそれでも、国家ブランドとして通用してるんだからすごい。我が国のブランドとはなんだろう。トヨタ? マンガ? カメラ? 何れにしても、そこには社会的責任、というイメージはやはり無い。
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