アメリカのジレンマ の商品レビュー
アメリカのリベラル、保守の歴史、傾向等がわかる。読むほどに複雑な社会と考えさせられる。 単一民族の日本人とは全く違った難しさがあり、トランプ政権の今後が非常に気がかりに感じた。
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2015年刊。著者は慶應義塾大学SFC教授。 オバマが政権から去ろうとする中、アメリカはどこに向かおうとしているのか。善悪・好悪に依らず、オバマ政権下のアメリカの今を解読するべく、前史(現代史だが南北戦争まで遡る場合あり)と、大衆意識の変遷を概説しつつ、政権の個々の政策の実態...
2015年刊。著者は慶應義塾大学SFC教授。 オバマが政権から去ろうとする中、アメリカはどこに向かおうとしているのか。善悪・好悪に依らず、オバマ政権下のアメリカの今を解読するべく、前史(現代史だが南北戦争まで遡る場合あり)と、大衆意識の変遷を概説しつつ、政権の個々の政策の実態を明らかにしようとする。 具体的には、製造業不振=超資本主義の亢進、国内の格差拡大・二極化亢進。米国の内向き志向と国内対立の先鋭化などだが、この程度なら、米国の近現代政治・経済史と現代米国の病巣に関する既刊書読破で代替可能なもの。さほど新奇な内容でもない。 精々、オバマの受動的外交の問題くらいが新奇ネタか。 例えば、イラク撤退による空白化と治安悪化。イラン台頭の手助け?。中東に手を取られていた間、中国のアジア浸透が顕著で、米国のアジア再帰の道は遼遠。あるいは化学兵器保有問題で、シリア・アサド政権に強硬姿勢の取れなかったオバマはロシアの後塵を配することになったなど、これらは多少新奇な事実だ。また、保守化(経済自由の徹底と、文化・宗教面での締め付け)はカーター政権の減税と産業の規制緩和からスタート、というのも意外なところ。 また、ショービジネス化が極端な選挙を支える法人献金も問題が多いな、という印象。禁止すべきと想うが、仮にそうしないなら低額で上限を画する必要があるだろう。政策を左右してしまう。 ところで、正直、本書のこの内容では新聞・雑誌記事に毛が生えた程度で、全く食い足りず、コストパフォーマンスも悪い。ただし、あとがきをみるに、著者もそれを承知のような気がしないではない。
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オバマ政権など最近のアメリカについての述べている。 アメリカ外交の4つの伝統的な性格。 1.国際通商をとおしてしたたかに発展することを重視する。(ハミルトニアン) 2.アメリカの安全と繁栄を重視し、そのためには威圧的手法も辞さない(ジャクソニアン) 3.他国にとっての模範となるこ...
オバマ政権など最近のアメリカについての述べている。 アメリカ外交の4つの伝統的な性格。 1.国際通商をとおしてしたたかに発展することを重視する。(ハミルトニアン) 2.アメリカの安全と繁栄を重視し、そのためには威圧的手法も辞さない(ジャクソニアン) 3.他国にとっての模範となることで理想の普及を目指す(ジェファソニアン) 4.普遍的な理想の普及によって世界を先導しようとする(ウィルソニアン) アメリカは世界の消費の最後の砦となって世界に貢献。現在の体制の構築(アメリカの国益になってもいるが)として世界に貢献。
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アメリカに関する書籍として、現在、最良である。前著のアメリカンデモクラシーの逆説にも衝撃を受けたが、本書は更に外交と歴史的な観点が加わった鋭い視点で書かれており、当にジレンマを表現しきっている。 氏のあとがきにもあるとおり、アメリカという国はいつも目が離せない。自分では到底整理出...
アメリカに関する書籍として、現在、最良である。前著のアメリカンデモクラシーの逆説にも衝撃を受けたが、本書は更に外交と歴史的な観点が加わった鋭い視点で書かれており、当にジレンマを表現しきっている。 氏のあとがきにもあるとおり、アメリカという国はいつも目が離せない。自分では到底整理出来ないが、これからも著者のアメリカ論をフォローしたく、何年後かの次作を期待する。
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親米でも反米でも時代錯誤の罠に陥りかねない、という筆者の言葉が印象的だった。アメリカ例外主義は、アメリカをアメリカたらしめているあまりにも重いイデオロギーである→なるほど、ジレンマの根幹をなす考え方なのだ。共和党と民主党、保守とリベラルの構造に関しては、一読しただけでは、まだ掴み...
親米でも反米でも時代錯誤の罠に陥りかねない、という筆者の言葉が印象的だった。アメリカ例外主義は、アメリカをアメリカたらしめているあまりにも重いイデオロギーである→なるほど、ジレンマの根幹をなす考え方なのだ。共和党と民主党、保守とリベラルの構造に関しては、一読しただけでは、まだ掴みきれなかったが、本書はバランスのとれたアメリカ論で貫かれており、読む価値のある著作と考える。
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