大乗経典の誕生 の商品レビュー
序 章 問題の所在 一 初期経典と大乗経典との溝 二 大乗仏教研究史と本書の視点 第一章 仏教理解の基盤 一 インド仏教史 二 仏教の典籍 三 ブッダの生涯 第二章 大乗仏教成立の前提 一 仏―ブッダの死と仏身観の変遷 1 ブッダ...
序 章 問題の所在 一 初期経典と大乗経典との溝 二 大乗仏教研究史と本書の視点 第一章 仏教理解の基盤 一 インド仏教史 二 仏教の典籍 三 ブッダの生涯 第二章 大乗仏教成立の前提 一 仏―ブッダの死と仏身観の変遷 1 ブッダの死を巡る解釈―無仏の世か有仏の世か 2 ブッダ観の変遷 二 僧―伝統仏教教団との思想的対立 1 三乗 2 一世界一仏論 第三章 主要な大乗経典と仏伝 一 大乗経典研究の基本的手法 二 燃灯仏授記にはじまる成道と救済 三 本生菩薩の追体験 四 降魔成道 1 降魔から成道への家庭 2 成道に至る手段・方法 3 成道時のブッダの情景 五 涅槃 第四章 法華経と仏伝 一 考察の前提 二 法華経と仏伝との対応 三 法華経の成立 1 法華経の構造 2 法華経編纂の意図 終 章 大乗仏教、そして大乗経典とは?
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趣旨:大乗経典創作の"ネタ"(着想/記述の大枠)は「仏伝だ!! →大乗経典は、ブッダ滅後300年以上経過してから、仏伝に準拠して作られたのではないか(例:法華経) ・ ブッダ「が」語る言葉を伝承する系統→伝統仏教 ブッダ「を」語る言葉を伝承する系統→大乗仏教...
趣旨:大乗経典創作の"ネタ"(着想/記述の大枠)は「仏伝だ!! →大乗経典は、ブッダ滅後300年以上経過してから、仏伝に準拠して作られたのではないか(例:法華経) ・ ブッダ「が」語る言葉を伝承する系統→伝統仏教 ブッダ「を」語る言葉を伝承する系統→大乗仏教 └ジャータカ(本生譚) └アヴァダーナ(業報譬喩物語) └その他 ・ 仏滅→根本分裂〈上座部・大衆部〉→枝末分裂〈二十部派〉 ・ 歴史「を」作ったブッダ 歴史「が」作ったブッダ=仏伝 ※歴史=部派 ・大乗経典成立にかかわる要素 「口伝」から「書写」への移行 正法滅尽への危機意識(cf.日本における「末法元年」は1052年)
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固有名詞と一般名詞の仏陀と菩薩。個人崇拝と宗教の普遍化。仏伝の再解釈というメインのモチーフは、深くは肯定できない。そこまでの説得力は本書にはない。しかし、大乗仏教の成立の起源に迫ろうとする問題意識は大変に興味深い。あとがきは興醒め。
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