ビッグヒストリー入門 の商品レビュー
科学雑誌でたとえるとするならば、『サピエンス全史』は「日経サイエンス」、本書は「ニュートン」といった感じで、『サピエンス全史』を読んだことがあるならば、この本を読む必要はないと思いました。 しかも、いわゆる「歴史」に入るまでの部分(「考古学」の対象になる時期以前の部分)について...
科学雑誌でたとえるとするならば、『サピエンス全史』は「日経サイエンス」、本書は「ニュートン」といった感じで、『サピエンス全史』を読んだことがあるならば、この本を読む必要はないと思いました。 しかも、いわゆる「歴史」に入るまでの部分(「考古学」の対象になる時期以前の部分)についての記述は、正確さに欠ける部分も多く、読むのをやめた方がよいかも、と思うレベルでした。 あとがきに、「世界史を概観するための良書」あるいは「世界史の教師が生徒の理解を深めるために使用する参考書として優れている」といったことが書かれていましたが、個人的には、…。 ただ、この本を読んで、「高校で学ぶ科目で最も難しいのは世界史かも」と思いました。 系統立てて学ぶのが難しい世界史は、体系が整理された数学や物理などと比べると、全体像をつかみにくいのは間違いなく、高校時代、世界史に苦労した理由がわかった気がします。
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デヴィッド・クリスチャン(1946年~)は、英オックスフォード大学卒、豪マッコーリー大学(1975~2000年)、米カリフォルニア州立大学サンディエゴ校(2001~08年)、豪マッコーリー大学(2009年~)で歴史を教える。 本書は、1989年より始めた講義「ビッグヒストリー」を...
デヴィッド・クリスチャン(1946年~)は、英オックスフォード大学卒、豪マッコーリー大学(1975~2000年)、米カリフォルニア州立大学サンディエゴ校(2001~08年)、豪マッコーリー大学(2009年~)で歴史を教える。 本書は、1989年より始めた講義「ビッグヒストリー」を書籍化して2004年に出版された『Maps of Time:An Introduction to Big History』(日本語版『ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか~宇宙開闢から138億年の「人間」史』)のエッセンシャル版として、2007年に出版された『This Fleeting World:A short History of Humanity』(直訳すると「泡沫の世界:人類の短い歴史」)の全訳である。 また、本プロジェクトは、クリスチャンの授業のDVDを見たビル・ゲイツが感激して1,000万ドルを提供し、これを学ぶプログラムを世界中に配信する支援をしたプロジェクトとしても有名である。 人類史全体を俯瞰した歴史書としては、ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』(原書は1997年出版)とユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』(原書は2011年出版)が有名で、私はいずれも読んでいるが、それらと比べると、本書には「ビッグヒストリーを子供たちに教える」という目的に則して、以下のような特徴がある。 ◆ダイアモンドやノア・ハラリのような自説の提示はない。 ◆人類の歴史よりも前に存在する、宇宙の始まりから、地球上に生物が生まれ、類人猿が誕生するまでの歴史に触れている。(頁数は僅かだが) ◆ディスカッションのための「思考実験」や「ディベートのテーマ」、教師用の指導書として使える補遺などが付いている。 本文230頁で語るにはテーマが壮大過ぎ、説明の偏りや不足が気になるところもあるが、「ビッグヒストリー」という世界観・歴史観を身に付けるという意味では、一定の価値のある本、プロジェクトということはできるだろう。(私の購入したものは初版で、誤訳と思われる記述、明らかな誤植があるのは残念だが) 我々人類はこうした歴史を踏まえて、どこへ行こうとしているのだろうか。。。? 本書は、「近代革命が抱える根本的なパラドックスは、生物圏に対する人類の支配力がすさまじいばかりに増大する一方で、その支配力を公正で持続可能なやり方で活用できることを、いまだ示していないということかもしれない。人類は種としての驚くべき創造性をうまくコントロールしているのだろうか。人類が達成した偉業の数々が、束の間のものなのか、それとも永続的なものなのかがわかるまでには、まだ時間がかかりそうだ。」と結ばれているのだが、本原書が出版されて僅か十数年の今、それがわかるまでには、それほど長い時間はかからないのかもしれない。 (2022年2月了)
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最初の方に大きな誤植(誤訳)があっておどろいた。まあこういうごくごくざっくりした話も学生様には読んでほしい。
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TEDでデビッド・クリスチャン教授のプレゼンテーションを見て。ちょっと前になるけど「銃・病原菌・鉄」や今年話題の「サピエンス全史」とか人類史をビックスケールで語る本が意外に手に取られているようですが、本書はその親分みたいな書名、ビッグヒストリーです。西洋史とか地中海史とかキリスト...
TEDでデビッド・クリスチャン教授のプレゼンテーションを見て。ちょっと前になるけど「銃・病原菌・鉄」や今年話題の「サピエンス全史」とか人類史をビックスケールで語る本が意外に手に取られているようですが、本書はその親分みたいな書名、ビッグヒストリーです。西洋史とか地中海史とかキリスト教史とか、限定的な歴史については全体像を掴んだ上での教育はやりやすいが、世界史についてはその全体像が掴みきれない、つまりいい授業が出来ない、という問題意識から生まれた歴史のモノサシです。だから、新しい視点としての新しい目盛りがついているいるわけではなく、ひたすら大掴みでビッグバンから近代までの歴史をスーパー早回しで区切っていきます。ただ、そのザックリ感とすべての文明についてのスーパーフラット感が新鮮かも。現代を宗世紀の終わり、人世紀の始まりという終章の置き方も興味深かったです。「なるほど読書」ではありませんでしたが、21世紀人のための基礎知識としてはいい本なのかもしれません。
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思考実験のとこだけ立ち読み。こういう問いがたくさんあるほどよい。何なら問題集を作って出してほしいレベル。 180607 読み終わり 話の大まかなところは、少しずつかじった進化学と人類学、あとマクニール世界史、銃・病原菌・鉄、サピエンス全史でほぼ語られていることではあるみたい。で...
思考実験のとこだけ立ち読み。こういう問いがたくさんあるほどよい。何なら問題集を作って出してほしいレベル。 180607 読み終わり 話の大まかなところは、少しずつかじった進化学と人類学、あとマクニール世界史、銃・病原菌・鉄、サピエンス全史でほぼ語られていることではあるみたい。でも、こういう通史マップは何回頭に入れなおしても損はない。
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個々の記述の深度は日本の教科書と大差ないが、以下の点で違いがあり、横断的・俯瞰的な学びを与えようと意図する一冊。 ・歴史的事実の羅列ではなく世界史上での位置づけ、技術的側面を解説 ・「思考実験」「ディベートのテーマ」というコラムを挿入し、暗記するのではなく歴史から学び考えるという...
個々の記述の深度は日本の教科書と大差ないが、以下の点で違いがあり、横断的・俯瞰的な学びを与えようと意図する一冊。 ・歴史的事実の羅列ではなく世界史上での位置づけ、技術的側面を解説 ・「思考実験」「ディベートのテーマ」というコラムを挿入し、暗記するのではなく歴史から学び考えるという姿勢 ・現代史に大きな比率を割いている
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ビッグヒストリーとは、宇宙、地球、人類の歴史を統合して概観する考えのこと。 それは既存の世界史や各国の歴史はもちろん、文明史、産業史や美術史等、あらゆる視点での「歴史」が含まれる壮大な歴史観である。 中学生でまずこのビッグヒストリーを学び、大局観を得たうえで、高校生になって各人が...
ビッグヒストリーとは、宇宙、地球、人類の歴史を統合して概観する考えのこと。 それは既存の世界史や各国の歴史はもちろん、文明史、産業史や美術史等、あらゆる視点での「歴史」が含まれる壮大な歴史観である。 中学生でまずこのビッグヒストリーを学び、大局観を得たうえで、高校生になって各人が各論である世界史や日本史等の選択をすれば、より効果的な学びができるのではないかと思った。 知的興奮を与えてくれる良書である。
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文字通り有史以来の天文学・生物学などを合わせた人文科学であるビッグヒストリーを扱った一冊。 これまで何となく知ってたことを、統合的にしようとするアプローチ自体は面白かった。 ただ入門書のせいか、分析がざっくりとしすぎてた感が。
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銃鉄病原菌のような人類史を人や政治の業績ではなく環境と技術の発展と相互作用として記述。 宇宙誕生から始まるが、人類史がメインで狩猟採集、牧畜農耕、近代にわけて人間が環境をいかにより高度に利用、改良でき、人口が加速度的に増加したかを説明する。 銃・・より教科書としてかかれているため...
銃鉄病原菌のような人類史を人や政治の業績ではなく環境と技術の発展と相互作用として記述。 宇宙誕生から始まるが、人類史がメインで狩猟採集、牧畜農耕、近代にわけて人間が環境をいかにより高度に利用、改良でき、人口が加速度的に増加したかを説明する。 銃・・より教科書としてかかれているためより平易で俯瞰した記述。とても読みやすく、こんな副読本が中高生のときにあればよかった。
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大ざっぱだけど、分かりやすい。ヨーロッパ人が滅ぼしたインディアンの暮らしぶりは、当時のにほんと大差ないと思われ、改めて、ヨーロッパ人の暴挙に驚いた。
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