ニッポン沈没 の商品レビュー
著者は文芸評論家。 著者が話題の本を読みながら、社会を論ずる本で、鳩山民主党時から震災・安倍政権までの期間である。 著者の2010年代キーワードは原発・格差・戦争との事。そうですね、さほど異論は無い。 本も概ねその辺りからチョイスされている。 今年の参院選を前に、安倍・橋下辺りか...
著者は文芸評論家。 著者が話題の本を読みながら、社会を論ずる本で、鳩山民主党時から震災・安倍政権までの期間である。 著者の2010年代キーワードは原発・格差・戦争との事。そうですね、さほど異論は無い。 本も概ねその辺りからチョイスされている。 今年の参院選を前に、安倍・橋下辺りから改憲をにらんだ話がしばしば聞かれるが、こいつらに改憲させて本当に世の中的にはOKと考えているのだろうか。今の支持率からはそう読めるのだが、「愚昧な為政者に翻弄される民衆ほど不幸な存在はない」とならないことを願う。
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相変わらず切れ味するどい斎藤さん。ニッポン沈没ときましたか。そうですよそうですよ。この泥船がいつまで沈まずにいられることか。今年になって傾きはさらに大きくなりましたからね、やれやれ。なんて言ってる場合じゃないと思わせてくれる斎藤美奈子。学ばなくては。声をあげなくては。
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斎藤美奈子さんは大好きな書き手で、鋭い舌鋒が痛快だ。時事ネタより文学論のほうがより楽しめるのだが、政治への視線にも共感するところが多々ある。これは2010年から2015年6月にかけて書かれたもの。 震災・原発事故・領土問題・橋下徹・慰安婦問題・秘密保護法・嫌韓思想・集団的自衛権...
斎藤美奈子さんは大好きな書き手で、鋭い舌鋒が痛快だ。時事ネタより文学論のほうがより楽しめるのだが、政治への視線にも共感するところが多々ある。これは2010年から2015年6月にかけて書かれたもの。 震災・原発事故・領土問題・橋下徹・慰安婦問題・秘密保護法・嫌韓思想・集団的自衛権・ブラック企業・イスラム国…、目についたトピックを拾っていったら、どうにも暗ーい気持ちになってしまった。これでも安保法案はまだ入っていないのだ。あとがきに「あらためて通読すると、斎藤はなんだかずっと不機嫌ですね」とあるが、そりゃ不機嫌にもなるよ。著者得意の笑えるおちょくりも影を潜めるほど、状況は厳しいということだ。それでも、気分でものを言うのではなく、関連書物をきちんと読んで、自分の言葉で意見を述べているところがこの人らしい。 あとがきの終わりのほうに記されていた言葉をかみしめる。 「ひとまず私たちに必要なのは、執念深くなること、次の一手を常に考え続けていくことでしょう。あきらめた途端、声を出さなくなった途端にどうなるかは、先の戦争が示しています。安易に希望を語ることはできません。しかし私は、絶望もしていません」
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