生還 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
以前読んだ『空白の5マイル』の作者角幡唯介氏が「死ぬような思いをしなかった冒険は面白くないし、死ぬかもしれないと思わない冒険に意味はない。」と語っていましたが、この著書であるベック・ウェザーズ史は鬱病を患っていたこともあり、そこから逃れるために「私が求めていたのは、あの恐怖だったのだ。当時は認めようとしなかったが、私は疑いなく電気ショックのようなものを求めていた。とんでもなく恐ろしい目に遭わないと、生きていることを実感できない人間のいるのだ。」と述べています。だから、精神的苦痛を受けるのは家族なのです。 前半はエベレスト登頂からいかに生還したかの話であり、後半は壊れてしまった夫婦や子供たちとの関係をどのように修復していったかの話です。
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