超入門!現代文学理論講座 の商品レビュー
文学を作者と切り離し、分析して読むテクスト論的な読み方。国語の授業での文学の読み方を、もっとテクスト論的に分析して読むような視点が入っていたら、面白いのではないかと思うが、プリマー新書でも結構難しかった。ロランバルトの言う「作者の死」についてもっと知りたい。物語の典型的な構造につ...
文学を作者と切り離し、分析して読むテクスト論的な読み方。国語の授業での文学の読み方を、もっとテクスト論的に分析して読むような視点が入っていたら、面白いのではないかと思うが、プリマー新書でも結構難しかった。ロランバルトの言う「作者の死」についてもっと知りたい。物語の典型的な構造についての最終章は分かりやすかった。貴種流離譚とか、二男一女の物語とか、広い型としてもいろいろあると思うし、それは面白い。期待の地平を裏切っていく物語の面白さ、というのもあるなと思う。
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創作のヒントになればと思い、手に取りました。作者と作品を切り離して読むには、ということで実際の作品を幾つか引用しながらロシア・フォルマリズム、言語行為論、読書行為論、昔話形態学を紹介。どれも興味深く読みました。特に昔話形態学の31の機能分類は創作する上でもかなり役立ちそうです。学...
創作のヒントになればと思い、手に取りました。作者と作品を切り離して読むには、ということで実際の作品を幾つか引用しながらロシア・フォルマリズム、言語行為論、読書行為論、昔話形態学を紹介。どれも興味深く読みました。特に昔話形態学の31の機能分類は創作する上でもかなり役立ちそうです。学校の授業で教えられた「主人公の気持ちに寄り添って」「主題は何か」などから離れた、より自由な読書をするためには文学理論を学ぶことはかなり有意義だなと感じました。より読書を楽しみたい、創作のヒントが欲しい人におすすめ。良書。
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確かに、本書でたびたび言及されていたように、学校教育での「文学」への触れ方は、「作者の意図と主人公の気持ち」に偏重していたのではないか。テクストをテクストとして読むとか、あるいはストーリーの構造やアーキテクチャについてということを、国語の先生から教わった記憶は、全くない。
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フォルマリズム・言語行為論・読書行為論・言語形態学を 例に、学校で習う画一的でお仕着せの文学理解だけでは なく、様々な読解の方法があることを紹介する文学理論入門 の端緒となる本。 小学生の国語のテストで「この場面の主人公はどのような 気持ちなのか」という問いに「人が心の中で何を...
フォルマリズム・言語行為論・読書行為論・言語形態学を 例に、学校で習う画一的でお仕着せの文学理解だけでは なく、様々な読解の方法があることを紹介する文学理論入門 の端緒となる本。 小学生の国語のテストで「この場面の主人公はどのような 気持ちなのか」という問いに「人が心の中で何を思っている かなんてわかるわけない」と思ったことを覚えている。実際 に物語の中で主人公がどう思っていようがそれは関係なく、 先生、あるいは学校が決めた、先生・学校が望む主人公の 気持ちを書くのが正解なのだと悟ったあの時に、私の受験が 始まったのだな。
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●大塚英志の本でプロップの物語構造論については知っていたが、文学を理論的に捉えるということに馴染みがなかったので、その他の紹介されていた理論については小難しく感じた。
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異化や言語行為論、読書行為論など、テーマを絞ってわかりやすく解説されていてよかった。 特に読書行為論の章は宮沢賢治の作品を題材にしながら、語り手と読む主体(自分)との関係などについて解説されていて興味深かった。 文学の受け取り方についての知識があるともっと小説を楽しめると思った...
異化や言語行為論、読書行為論など、テーマを絞ってわかりやすく解説されていてよかった。 特に読書行為論の章は宮沢賢治の作品を題材にしながら、語り手と読む主体(自分)との関係などについて解説されていて興味深かった。 文学の受け取り方についての知識があるともっと小説を楽しめると思ったので、文学理論について他の本も読んでみたいと思った。
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学校の国語の授業で一般的な"読み方"を教わるが、そもそも読み方に正解はない。自由な解釈を心がけよう。『批評の教室』とセットで読むと理解が深まる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
国語教育でよくあるのが、作品の「読み」そのものに必ず作者自身の性格や環境、書かれた時代背景などを加えるパターンです。そうやって読解することが深い「読み」であるとされる。また、受験の現代文で問われるのは、言葉の使い方のロジックの部分や正確で客観的なテクニカルな文章の読み方だったりします。前者も後者も、授業を聞いたり勉強したりしていると、まさにこれこそ学業ってやつだなあと、あまり良い意味合いではなく思えてしまいます。いくらか、不必要にすら感じられるくらいの苦痛を内包した学びになっていたりしてはしなかったでしょうか。 本書でまず最初に取り上げられる「ロシアフォルマリズム」は、作者の性格や環境、社会背景を考えるような読みはしません。そこに書かれている「ことば」の外にあるものを問題にしないのです。記号としての、機構としての、ことばをみていく。たとえば、そのような読み方で浮き上がってくる文学構造的な特質は、「異化作用」というものです。「異化作用」は、「日常的に見慣れた事物を奇異なものとして表現する《非日常化》の方法」です。そうすることで読み手は「そうだったか!」「そういう見方ができるんだ」と、知覚や意識が覚醒して活性化することになる。それこそが、異化作用の目的なのでした。それは、安定した日常に背く行為でもあります。日々安定したものとして見えていたものが、異化作用によってまったく別の形をして見えはじめる。ですが、そこで新たな気付きが得られるわけです。芸術の目的とは、まずひとつ、こういったようなことがあるのでした。本書での単純な例としては、「上は洪水、下は大火事、これなんだ?」というなぞなぞが書かれています。これは昔ながらの薪で沸かした風呂のことを異化しているのです。小説作品では、もっと長い文章量を用いて、積み重ねて積み重ねてリアリティとか実感を読み手にシンクロさせていって、それから異化して衝撃を与えたりしますよね。異化作用には快感もあると思います。 このように、「ロシアフォルマリズム」だけでも興味深くておもしろいのですが、つづく「言語行為論」「読書行為論」「昔話形態学」も同じくらい興味を惹く中身でした。とくに「昔話形態学」についてはプロップという人が多くの昔話を分析して見つけた31の物語構造が解説されていて、この31の約束どおりをプロットでなぞってみるだけでもいっぱしの物語ができるに違いないほどでした。また、僕個人がこれまで書いてきた短篇を思い返してみても、知らずしらずのうちにこの物語構造をなぞっていることがわかり、ちゃんとやれてたなという優等生な気持ちと、逆にステレオタイプめいてたかなという残念な気持ちとが半々な気持ちになりました。また、極論すると、「行って帰ってくる」のが物語である、となるのですが、読み終えてすとんと腹に落ちるかたちの物語って必ずそうだと思います。ただ、現代の小説って、そこを気持ち悪く終わるものもありますよね。うろ覚えですが、ポール・オースターの『ガラスの街』なんかは行きっぱなしで帰ってこなかったような気がしますが。帰ってくるけどいろいろ喪失している、っていう終わり方もありますよね。さまざまな可能性があってこそ小説はおもしろいともいえるので、31の定型の形のなかで自由をやる以外の方法もまだまだ残されているのではと思いました。亜種のように出来あがるものもあるでしょうし。 そういうところですが、本書によってもっと読み方が自由になる方はたくさんいらっしゃると思います。理論を知ることで読み方の地平が切り拓かれる。そんなタイプの開いた読書へとつながる本だと思いました。
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異化作用から言語・読書行為論、物語の構造論まで物語を読むにあたり、普段意識することのないフレームについて分かりやすく解説されているが、結局、そういったフレームに則って読むことの面白さや有用性が伝わってこなかった。 物語はそれ自体が文法であり、作る側の視点抜きには、理解もできないし...
異化作用から言語・読書行為論、物語の構造論まで物語を読むにあたり、普段意識することのないフレームについて分かりやすく解説されているが、結局、そういったフレームに則って読むことの面白さや有用性が伝わってこなかった。 物語はそれ自体が文法であり、作る側の視点抜きには、理解もできないし、面白くもないものなのかもなぁ、と思った。
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ケースメソッドに人文学の理論や知見を活かせないか模索している。ストーリーテリング前にある基礎理論的なものの一部を学ぶことが出来た。
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